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【北國新聞】 石川から有機EL 量産体制の早期確立を期待

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 次世代の有機ELパネルが石川の工場から初めて出荷された。製造したのはJOLED(ジェイオーレッド)で、独自の生産方式を開発して中型有機ELパネルの製品化にこぎ着けた。今後、生産規模の拡大に必要な投資を行うため、来年3月末までに1千億円規模の出資を募る。
 北陸にとって注目できるのは、JOLEDがジャパンディスプレイ(JDI)の能美工場(能美市)を活用して有機ELパネルの量産を計画していることである。JDIの能美工場では液晶のパネルが生産されてきたが、業績が厳しいJDIの構造改革に伴って操業は年内で止まることになっていた。
 閉鎖も心配された能美工場が成長有望な有機ELの事業でよみがえるのは心強い。JOLEDが技術と資金の両面で量産体制を早期に確立することを期待したい。
 JOLEDはこれまで、JDIの石川工場(川北町)に設けた研究開発拠点で有機ELパネルを試作してきた。今後は能美工場に新たな生産ラインを導入し、2019年の量産を目指す。
 量産開始に向けて、増資で得る1千億円の3分の2を能美工場への投資に充てる。JOLEDの設立母体で、株主でもあるソニーとパナソニックが出資要請に応じる方針とされるのは、事業の成長が見込めるからだろう。
 JOLEDは独自に開発した「印刷方式」で有機ELパネルを量産する。テレビやスマホ向けの有機ELパネルで先行する韓国メーカーの「蒸着方式」と比べると、低いコストで、さまざまな大きさのパネルを生産できる利点があるという。
 エレクトロニクス業界の競争は激烈である。韓国メーカーが対抗に動くことも予想されるが、JOLEDは用途開発やコスト削減を進めて、能美工場を世界有数の生産拠点に育ててほしい。
 JOLEDには、石川県内に液晶パネルの生産拠点を設けたJDIも出資している。JDIはスマートフォン向けパネルの市況悪化が響いて赤字が続き、経営再建を急いでいる。石川で有機ELパネルを量産するJOLEDとの連携がJDIの再建に好影響を与える展開も期待したい。

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