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【茨城新聞】 ロシア制裁 国の工作が断罪された

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国際オリンピック委員会(IOC)が国家主導のドーピング工作を進めたとして、ロシア・オリンピック委員会を資格停止処分にした。併せて、ソチ冬季五輪での薬物使用の不正を指導したと疑われながら、一貫して「国家主導の不正はなかった」と、関与を否定してきた当時のスポーツ相、ムトコ副首相を五輪からの永久資格停止処分にした。
どの国であれスポーツ担当相は、五輪運動を主導するIOCの権限が及ばない存在と考えられてきただけに、この制裁にIOCの強い決意が表れている。
陸上競技を中心に、ロシアではドーピングが広範囲に行われていると、ドイツの公共テレビが衝撃的な調査報道をしたのは3年前だった。
そこから、世界反ドーピング機関(WADA)が調査に乗り出し、ロシアにとって自国開催だったソチ冬季五輪での不正の疑いも、揺るぎないものとなった。
にもかかわらず、IOCは昨年のリオデジャネイロ五輪直前の理事会では、全面的な参加差し止めとはせず、参加の容認、差し止めの判断を陸上や水泳など国際競技連盟の個別の決定に委ねた。
国際パラリンピック委員会が、ロシアの薬物使用は反ドーピング運動に対する国家による挑戦にほかならないとして、リオ大会の全面的な参加差し止め処分を下したのとは対照的だった。IOCは弱腰だと、批判を受けた。
IOCはその後、調査委員会による具体的な証拠集めを加速し、今回は自信を持って断固とした制裁処分を打ち出したと言える。ムトコ氏の指示を忠実に実行しただけかもしれないが、ロシア五輪委のジューコフ会長をIOC委員の資格停止とした。
一方で、IOCはロシアの冬季競技の選手が来年2月の平昌五輪に参加することは差し止めなかった。「クリーンな選手の保護」を最重要課題に掲げる手前、ドーピングに関与していない選手は、いくらロシア五輪委の管理下にあっても、制裁を科すことはできないのだ。
今回の決定で注目されるのは、資格停止とした国内オリンピック委員会の選手に五輪出場を認める場合、従来は「独立した五輪選手」の名称で、国名の付かない純白の競技ウエアで出場することと決めていたが、今回は「ロシアからの五輪選手」の名称を付けたユニホームの着用を認めた点だ。
ロシア国旗の使用を認めず、メダル獲得後の表彰式でロシア国歌を演奏することも今回禁じた。その上、ロシア選手と名乗ることも許さないとなれば、ロシアの全国民からの強い反発が出ることは避けられないとの政治的判断が見て取れる。
国は罰しても、潔白な選手は保護する。IOCは良識を働かせた。
この決定は、反ドーピング運動の推進にとって間違いなく大きな道標となった。同時に、政治の介入を許さない五輪運動を正しく理解し、その運動を支援すべき国家が国内オリンピック委員会の頭ごしに選手強化に手を突っ込むことに対し、強い警告を発したと受け止めることができる。
選手のメダル獲得によって、国民を喜ばそう、政権の人気拡大に結びつけようなどと考えるなら、それは大きな間違いだと、IOCは声を上げたとも言える。

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