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【朝日新聞】 五輪と薬物 ロシアは責任を認めよ

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 ロシアの国旗も国歌も締めだされる。来年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪は「ロシア抜き」という異例の開催になる。
 禁止された薬物を選手に投与する、いわゆるドーピングによるものだ。ロシアの組織的な責任を問い、国際オリンピック委員会(IOC)が決めた。
 この事態を招いた原因はロシア自身にある。政府とロシア・オリンピック委員会などが広範に薬物を使い、隠蔽(いんぺい)していた事実が認定された。
 だがプーチン大統領は「国ぐるみではなかった」と抗弁し、当局の責任を認めていない。薬物汚染の重大さを考えれば、厳罰を科すのは当然だ。
 IOCは、選手団派遣を禁じた一方、潔白が証明された選手については、国旗や国歌なしで五輪に参加する道を残した。
 政府や五輪関連組織のふるまいがどうあれ、何の非もない選手にまで扉を閉ざすのは理不尽と判断したことは理解できる。
 しかしロシア・オリンピック委員会の対応次第で、ロシアの資格停止を閉会式で解く可能性を残したのは納得できない。
 「罰金」などの処分をすべて受け入れる姿勢に転じたとしても、平昌五輪の期間中は、ロシアの組織的な責任を厳しく問う態度を貫くべきではないか。
 ロシアが開いた前回のソチ冬季五輪は、薬物まみれの大会だったことが判明している。ロシアが獲得した33のメダルのうち11個の剥奪(はくだつ)も決まっている。
 その国と組織に対し、手ぬるさを残す処分で臨むようでは、五輪憲章を守るべきIOCの姿勢が問われる。スポーツ界での薬物の蔓延(まんえん)が深刻化している実情を考えればなおさらだ。
 一方、こうした問題を見るにつけ、ロシアの無軌道ぶりがいかに国際社会の不安を高めているか痛感せざるをえない。
 薬物疑惑の発覚後、プーチン氏は、ソチ五輪当時の責任者であるスポーツ相を、更迭ではなく、副首相に昇進させた。先月は「米国が(来年の)ロシア大統領選に向けて問題をつくろうとしている」と言い放った。
 ウクライナやシリアなど、自らが介入している紛争をめぐってもロシアは国際的な批判や調査を拒み、自己利益とメンツを守ろうとする姿勢が目立つ。
 しかし、五輪での処分が示すように、国際ルールの無視を続ける姿勢は結局、ロシア自身の不名誉な孤立を招く。
 懸命に練習を積み、五輪の舞台をめざす選手らのためにも、過ちを率直に認めて責任者を処罰し、国際調査の全面受け入れと透明化を進めるべきだ。

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