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【読売新聞】 受信料制度合憲 NHKの在り方を考えたい

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 全国にあまねく良質の番組を提供する。公共放送の目的が果たされてこそ、受信料に対する国民の理解が得られる。
 最高裁大法廷が、NHKの受信料制度を「合憲」とする初めての判断を示した。
 判決は「憲法が保障する表現の自由の下、国民の知る権利を充足すべく採用された」と、受信料制度の合理性を認めた。受信契約を義務付けた放送法の規定についても、「公平な受信料徴収のために必要だ」と結論付けた。
 国家や特定の個人、団体から財政面での支配や影響を受けないよう、事業運営の財源を受信料に求める。広く公平な負担によって支えられているNHKの特性と、公共放送としての存在意義を踏まえた判決だと言えよう。
 自宅にテレビがある男性が「視聴者の意思に委ねられる」と受信契約を拒否したため、NHKが受信契約を求めて提訴した。
 判決は「NHKがテレビ設置者の理解が得られるよう努め、これに応じて受信契約が結ばれることが望ましい」とも指摘した。
 これをNHKは重く受け止めるべきだ。災害情報など、公共の福祉に資する報道や番組をより充実させることが欠かせない。
 不偏不党で、公正な報道が求められるのは言うまでもない。報道番組での不適切な演出や、偏向した内容が目立つようでは、受信料制度の基盤が崩れる。
 NHKでは、制作費の流用といった不祥事が相次ぎ、受信料の支払い拒否が増えた。3月末時点の支払率は79%だ。未契約は全国で約900万世帯と推計される。
 最高裁は、NHKが未契約者を提訴し、勝訴が確定した段階で契約が成立するとの見解も示した。規約上、テレビを設置した月に遡って支払い義務が発生する。
 NHKにとっては、受信料を徴収しやすくなる。徴収業務の経費を節減する余地も生じよう。
 受信料収入の増大で、NHKの肥大化が今以上に進まないか。経営効率化への取り組みが疎(おろそ)かになることも懸念される。
 NHKは、テレビ番組をインターネットで同時配信する新規事業を2019年度にもスタートさせる方針だ。4K・8Kなど、高画質放送の事業も手がけている。
 事業を野放図に広げれば、民業圧迫につながる。事業拡大に突き進むのではなく、受信料の値下げを検討するのが先決だろう。
 最高裁判決を契機に、公共放送としての在り方を虚心坦懐(たんかい)に見直してもらいたい。

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