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【読売新聞】 露ドーピング 平昌への参加禁止は不可避だ

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 常軌を逸したドーピングの蔓延(まんえん)を考えれば、五輪への参加禁止は当然の措置である。
 国ぐるみのドーピング不正が指摘されるロシアが、来年2月の平昌冬季五輪への出場を禁じられた。
 国際オリンピック委員会(IOC)理事会が決定した。資格停止となったロシア五輪委員会は、選手団派遣ができなくなった。
 スポーツ大国のロシアは、冬季競技でも多数の有力選手を抱える。フィギュアスケート女子の金メダル候補、エフゲニア・メドベージェワ選手らが出場できないとなれば、平昌五輪の競技レベルの低下は避けられない。
 不利益を押して、IOCが参加禁止に踏み切った事実は、ロシアのドーピングがいかに深刻であるか、を物語っている。
 2010年バンクーバー五輪で不振だったロシアは、自国開催の14年ソチ五輪で、メダル数を2倍以上の33個に増やした。
 そのうち、金4個を含む11個のメダルが既に剥奪(はくだつ)された。ドーピングの再検査で違反が相次いで確認されたためだ。25人の選手は五輪から永久追放となった。
 メダル獲得のためには手段を選ばなかった実態がうかがえる。違反が見つかった選手の競技は広範にわたる。組織的なドーピングが競技を問わずに行われていた、とみるのが自然だろう。
 ロシア五輪委は「政府がドーピングを支援したという嫌疑は証明されていない」と、国ぐるみの不正を改めて否定している。
 IOCは、組織的ドーピングが広がった状況に対して、ロシアのスポーツ省などは責任を取る必要がある、と主張している。もっともな見解である。
 薬物を用いて競技力を向上させようというドーピングは、スポーツの根幹であるフェアプレーの精神を冒涜(ぼうとく)する行為だ。
 昨年のリオデジャネイロ夏季五輪で、IOCは多くのロシア選手の参加を容認した。全面拒否した国際パラリンピック委員会との対応の違いが際立ち、弱腰だとの非難を浴びた。今回の決定は、この教訓を生かした結果だろう。
 ドーピングとは無関係だと証明された選手については、五輪旗の下での個人参加の道が残された。クリーンな選手への配慮は必要だ。IOCには、公正かつ厳格な認定が求められる。
 ロシアがドーピングの土壌を一掃しない限り、20年東京五輪でも同じ問題が持ち上がる。IOCは毅然(きぜん)とした姿勢を貫くべきだ。

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