Home > 社説 > 地方紙 > 北海道・東北地方 > 岩手日報(岩手県) > 【岩手日報】 ロシアの薬物使用 これ以上五輪を汚すな
E085-IWATENIPO

【岩手日報】 ロシアの薬物使用 これ以上五輪を汚すな

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 日本選手の数多くのメダル獲得が見込まれ、本県選手の活躍にも大きな期待がかかる韓国・平昌(ピョンチャン)冬季五輪。その華やかな祭典を前にして、重大な判断が下された。
 国際オリンピック委員会(IOC)は、ドーピング(薬物使用)の組織的不正があったとしてロシア・オリンピック委員会を資格停止とし、同国の選手団を除外することを決めた。
 ロシアは前回2014年の冬季五輪開催地で、有力な選手を多く抱える強国。だが、この数年間、薬物使用を巡って国際社会から厳しい目が向けられてきた。
 大会運営に打撃を与えるのは必至で、メダル争いに与える影響も大きい。IOCとしては痛恨の決断だったに違いない。しかし、当然の措置だ。今こそ世界は、徹底してドーピング追放を図らなければならない。
 そもそもロシアは、ソチ五輪でも薬物投与や検査不正疑惑が浮上。結局、違反者は25人に上り、金6個を含め11個のメダル剥奪が決定した。
 昨夏のリオデジャネイロ五輪でも焦点となったが、IOCは同国選手の全面除外を見送り、可否の判断を各国際競技連盟に委ねた。
 その結果、一部選手の出場が禁止された中で300人近くのロシア選手団が参加。国際パラリンピック委員会が全面的な参加差し止め処分を下したのとは対照的な措置に、弱腰との批判が上がった。
 IOCはその後、調査委員会による具体的な証拠集めを加速。今回は自信を持って断固たる制裁処分を科したと言える。国を罰する一方、潔白な選手は保護し、個人資格での参加を認めるのは、やむを得ない面もあろう。
 国主導のドーピングが行われる背景には、国威の発揚や政権の人気を高める狙いがあるとみられる。しかし、そんな思惑がもたらした過去の悲劇を忘れてはならない。
 組織的違反の代表的な国に旧東ドイツがある。筋肉増強剤をそれとは知らされず、多量に服用させられたある女子選手の例は悲惨だ。耐えられない痛みを関節にもたらすほど筋肉が増大。男子選手のような体形となり、ついには性別適合手術を受けている。
 薬物はフェアプレーの精神を汚し、副作用が選手の健康をむしばむ。技術の進展により使用と摘発はいたちごっこになっているようだが、本来あるべきスポーツの姿を取り戻さなければならない。
 北朝鮮情勢が緊迫化する中の韓国での五輪。そこに大国ロシアのドーピング問題の衝撃が加わった。ロシアからは反発行動も予想される。運営に苦労が重なりそうだが、選手が心置きなくプレーできる環境を整えてもらいたい。
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。