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【富山新聞】 トランジットモール 効果を実証、恒常化へ前進

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 富山市中心部の大手モールで10月の週末に実施された「トランジットモール」の社会実験で、1時間当たりの歩行者通行量が土曜日で通常の9・2倍、日曜日で7・4倍に上ったとの調査結果が市議会で報告された。両日の人出の多さは来場者も実感したと思われるが、にぎわい創出効果が数字の上でも実証されたことは、トランジットモールの恒常化に向けた前進と受け止めたい。
 社会実験は延長約300メートルの大手モールで一般車両の進入を規制し、歩行者と市内電車のみを通行可能にして実施された。路上では音楽イベントの開催や飲食・物販店の出店などもあり、昼夜を問わず活況を呈した。
 歩行者の増加と同時に、注目すべきは市内電車環状線の乗降客数の大幅な伸びである。市の調査によると、乗降客数は土曜日が通常の4・3倍、日曜日は2・2倍に増えている。車から公共交通への誘導でも一定の効果が見られたことは、社会実験の成果の一つと言えるだろう。
 アンケートでは、来場者、出店者ともに9割以上が定期的な実施を望んでいる。近隣商店関係者では、4割以上が来店客、売り上げとも通常と変わらないとしながらも、定期的な実施を望む人が6割を占めた。にぎわいの恩恵が近隣商店に行き渡る仕掛けづくりが求められるが、トランジットモール化には総じて理解が広がっているとみてよいのではないか。
 次世代型路面電車(LRT)が走行する本格的なトランジットモールは、車両規制や歩行空間の確保などが難しいため、国内では例がない。その点、大手モールは車両規制の影響を最小限に抑えることができ、広い歩行空間も備えており、トランジットモールには理想的な場所と言ってよい。
 今回の調査結果を見る限り、にぎわい創出や回遊性向上で最大の効果を見込めるのは週末だろう。周辺交通や住民生活への影響など検証すべき事項は残るが、社会実験を重ねる中で課題を洗い出し、必要な対策を講じてもらいたい。全国に先駆けて恒常的なトランジットモールが実現すれば、富山の都市ブランドも一層高まる。

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