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【東奥日報】 あるべき姿 探る契機に/NHK受信料 「合憲」

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 NHKの受信料制度が契約の自由を保障した憲法に反するかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷は「合憲」とする初の判断を示した。テレビがあれば契約を結び、受信料を支払うことを、事実上の法的義務と位置付け、NHKに“お墨付き”を与えた形だ。
 徴収業務や契約・支払いを求める裁判に及ぼす影響は大きい。ただ、インターネットの普及で若者のテレビ離れが進むなどメディアを取り巻く環境が大きく変わる中、公共放送の役割そのものが問われており、検討すべき課題は多い。最高裁判決を契機に、時代の変化を踏まえた公共放送のあるべき姿を探る議論を深める必要がある。
 NHKは、テレビがあるのに受信契約を拒む男性に支払いを求めて提訴。「受信設備を設置した者はNHKと受信契約を結ばなければならない」と定める放送法の解釈が主な争点となった。
 契約の強制は契約の自由への重大な侵害と男性側は主張したが、最高裁は公共放送としてのNHKの役割を重視。その財政的基盤を広く負担してもらう仕組みについて「憲法が保障する表現の自由の下で国民の知る権利を実質的に充足すべく採用され、合理的なものと解される」とした。
 未契約世帯は900万を超えるとされる。受信料収入に頼るNHKは戸別訪問で説得を重ね、どうしても応じてもらえない場合には裁判を起こすことになる。今回の判決は追い風となろう。
 ただ、これまでも「弱い個人を狙い撃ちにしている」といった声があったことを忘れてはならない。判決も「NHKが理解を得られるよう努め、契約が締結されることが望ましい」としている。
 一方、2019年度開始を目指し、NHKがインターネットで番組を同時配信するサービスを巡っては当初、ネットのみの視聴世帯からも受信料を徴収する意向を示していたが、当面は負担を求めない方針を9月に表明した。
 「NHKの肥大化」を危ぶむ民放の反発に配慮したものとみられるが、そもそもネットで公共放送は必要なのか、民放の経営を圧迫しないかといった観点から検討を加えることが求められる。
 このほか、ワンセグ機能のある携帯電話を持つ人から受信料を徴収できるかでも争いは続いており、公共放送の在り方を巡る論点は尽きない。

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