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【奈良新聞】 想定外を減らそう

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 天皇陛下の退位日程が具体的になり、「平成」を回顧する場面が増えた。多様な側面があるが、阪神・淡路、東日本両大震災や、気候変動が要因ともされる集中豪雨による水害など、多数の犠牲者を伴う自然災害が目立つ時代でもあった。大規模災害が過去のものでも、遠い場所のことでもなく、身近にあることを再認識させられた。
 今年11月下旬、県は県地域防災計画の見直し案を発表した。昨年の熊本地震での課題や、前回改定後に県が取り組んできた諸施策を踏まえるなどした内容。東日本大震災と紀伊半島大水害を受けた見直し計画施行以来3年ぶりとなる。
 見直し案では、他府県からの応援職員受け入れ態勢を整える受援マニュアルの作成や、県庁舎被災の場合の第2災害対策本部の設置検討、避難所環境の整備などを修正。自主防災組織の強化や災害廃棄物の対応充実などに関する改定も盛り込まれた。
 県民の意見を募り、年度内にまとめられる予定だが、次は県内各自治体がそれぞれの地域防災計画に反映させる番になる。この連携が円滑に進み、住民も交えた備えと実践の態勢が整ってこそ修正も生きる。
 これまでは、大規模災害ごとに学びを重ね、改善策が講じられてきた。それでも初動や救護、避難所の設定と運営、長期短期での被災者支援、人員配置、復興の進め方など、阪神・淡路大震災の頃と比べるとずいぶん整理された。公的機関のみならず個人、地域といった単位で課題に対応することによる減災の手法も進んでいる。
 ただ、さらに万全を期すにはどうすべきだろうか。目配りすべき事項、方向性が煮詰まってきているならば、災害後ではなく、各場面で起こり得ることを多岐にわたって予測し、事前に布石を打つことに軸足を置く段階を迎えたとも言えるのではないか。対応プランは複数で、一定の数があるほど被害や不安、不足を遠ざけることは過去の災害時の例からも知れる。
 もちろん予測と行動は、公的機関まかせでなく、各人がさまざまな災害で起こる可能性のある事象を捉え、自身の状況に応じた準備をするのが基本になる。実行のための情報と手段は、津波や原発事故も含む災害経験からさまざまに得られている。
 県は別の関連計画の中で災害死者ゼロを目指す目標を掲げている。関連死も考慮しつつ大切な命を守るには、公私問わず、事後に「想定外」「不測の事態」といった言葉を減らす不断の行動が求められている。

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