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【西日本新聞】 ロシア五輪排除 ドーピング根絶の契機に

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 ドーピングから五輪を守り抜く決断として評価したい。
 国際オリンピック委員会(IOC)が、国主導でドーピングの組織的不正があったとして、来年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪からロシアの選手団を除外することを決めた。
 今回のドーピング問題は、昨年のリオデジャネイロ五輪前に表面化した。IOCは組織的不正の認定を避け、ロシア選手の参加可否の判断を各競技団体に委ねた。
 大国への配慮がにじみ、ドーピング根絶に対するIOCの姿勢が疑われたのは当然である。
 リオ五輪後に世界反ドーピング機関(WADA)が公表した調査の最終報告書は組織的なドーピングと隠蔽(いんぺい)工作の実態を明らかにした。IOCも独自調査を進め、検体を再検査してソチ五輪(2014年)でロシア選手が獲得した11個のメダル剥奪を決めた。
 ロシアは依然として国家的不正を否定している。当面の冬季五輪からのロシア選手団排除は、やむを得ない措置といえよう。
 ドーピングがスポーツの公平性と高潔性を損なうことは改めて言うまでもない。ロシアは調査結果と処分を受け入れ、再発防止の決意と行動を世界に示すべきだ。
 それが、国際スポーツ界で信頼を回復する唯一の道ではないか。スポーツファンだけでなく、日々鍛錬を積む世界中のアスリートが望むことでもあろう。
 IOCは潔白を証明できた選手については、個人としての五輪参加に道を開いた。不正に手を染めていない選手の権利を保護する妥当な判断である。
 国主導のドーピングの背景には、五輪が巨大イベント化し、「メダル争い」に象徴される国威発揚の場となっている実態がある。
 IOCは抜本的な五輪改革を進め、肥大化と行き過ぎた商業主義に歯止めをかける必要がある。
 3年後の東京五輪・パラリンピックを控え、日本が果たすべき役割も重要だ。不正を防ぐ検査態勢に万全を期すとともに、ドーピング根絶に向けた国際的な取り組みをリードしていきたい。

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