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【秋田魁新報】 人口の社会減半減 県は実現への工程示せ

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 佐竹敬久知事は就任3期目の県政運営指針「ふるさと秋田元気創造プラン」(2018~21年度)に、年間約4千人で推移している県人口の「社会減」を21年までに約2千人に半減させる目標を盛り込む方針だ。社会減は県外への転出者数が県内への転入者数を上回る「転出超過」を指す。社会減抑制は喫緊の課題だが、短期間で半減させるという目標は実現可能なのか。精査が必要だ。
 佐竹知事は開会中の12月県議会一般質問で人口減少の克服を最重要課題に挙げ、社会減半減については「目標を高くすることで努力できる。県庁一丸で全力で取り組む覚悟の表れだ」と述べた。今議会に素案を示した3期目の元気創造プランには雇用創出や移住増加、若者の県内定着にさらに取り組む方針を盛り込んだ。
 素案では、16年に4100人だった社会減を21年には2050人に減らすとしている。だが、17年の社会減は4253人と前年を上回った。11日の県議会総務企画委員会では、高い目標設定を評価する声がある一方、「もう少し現実的な目標に改めるべきだ」と再考を促す意見があった。
 県によると、今後5年間で社会減を2千人減らすという目標は、県が目指す「2040年の人口76万人」を達成するために割り出された。さまざまな施策効果などを基に算出したものではなく、数字に根拠はないという。
 人口減対策で佐竹知事は、1期目プラン(10~13年度)に「脱少子化」を掲げたが、出生数の減少に歯止めはかからなかった。2期目プラン(14~17年度)では「本県への定着、移住・定住」を重点の一つに据えたものの、指標となる「Aターン就職者1400人」(15年度)は達成できていない。
 09年に就任した佐竹知事は「10年後の秋田」を見据えて県政を運営してきた。3期目はその節目を迎えるだけに、成果が求められる。
 県人口は今年4月に100万人を割った。本県では人口が年間約1万4千人減っており、このうち死亡者数が出生数を上回る「自然減」が約7割で、社会減は約3割。社会減の要因は主に18~23歳の若者の県外への進学・就職であることから、県は県内への就職を促進するなどして社会減を減らす考えだ。
 だが県の調査では、高校卒業者のうち半数近くが県外に進学する年もあった。目標をかなえるために地元を離れて学ぼうとする若者の願いを無視することはできない。それを踏まえ、短期間で社会減を半減させるという目標に現実味はあるのか。
 何か一つの施策によって大幅な社会減抑制を成し遂げるのは難しく、さまざまな施策を総動員する必要がある。高い目標を掲げるのであれば、県には社会減半減への工程を具体的に示してもらいたい。

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