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【陸奥新報】 ホワイトインパルス「冬の魅力に磨きを」

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 高い除雪技術を誇る青森空港の除雪隊「ホワイトインパルス」が今冬も活躍している。12月に入って出動式が行われ、青森市内の業者らで構成する約120人の隊員がデモンストレーション走行を行って士気を高めたが、今冬は例年よりも降雪が早く、11月だけで既に出動回数は18回とフル回転。11月の降雪量も過去最多の88センチ(同空港管理事務所調べ)を記録しており、今後も出番は増えそうだ。
 除雪隊が創設されたのは1981年。観光客に親しみを持ってもらおうと、2013年に「ホワイトインパルス」と命名された。民間の旅行会社と提携した同隊の除雪見学ツアーが今冬で3シーズン目を迎えるなど、本県の冬期間の新たな観光資源として期待が高まっている。
 注目されるのは何といっても高い技術力だ。青森空港は全国でも有数の豪雪地帯にある空港。滑走路延長3000メートル、誘導路などを含めて除雪が必要な面積は約55万平方メートル、東京ドーム約12個分となるが、ホワイトインパルスはこの広さを標準約40分で除雪する技術を持つ。隊創設から30年以上が経過しているが、現在に至るまで除雪の遅れによる欠航は1度もないというのだから、驚異的だ。
 滑走路や誘導路の除雪は言うまでもないが、1回やって終わりというものではない。当然ながら雪が降り続けば、発着時間に合わせて1日何度も出動する必要がある。例年の出動は300回程度というから、隊員の奮闘には頭が下がる。
 特殊車両が整然と隊列を組み、走行しながらスピーディーに除雪していく様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」でも紹介されており、19万回近い総再生回数を誇る。メディアで取り上げられることもあるなど注目度は高く、冬の観光資源として期待されるのは当然だろう。
 迫力ある除雪作業を間近で見られる見学ツアーのほか、民間事業者による隊の名前を冠した商品開発などさまざまな動きがあるが、本県の冬の魅力の一つとして今後も機を捉えてアピールしてもらいたい。地道な除雪作業が注目されれば隊員の士気も上がるだろうし、空路での青森への旅を促すことにもなるだろう。
 雪の多い冬は本県の観光の閑散期と言われて久しいが、近年は海外観光客の増加を背景に「雪」や「冬の温泉」などに関心を寄せる層が目立つ。これまでも地吹雪体験や雪かきなどが県外の人たちに喜ばれる事例はあったが、近年は台湾の観光客が自国では見られない雪景色や冬季レジャーに高い関心を示しており、冬の観光の可能性は広がってきている。
 県民は冬の暮らしにマイナスイメージを抱きがちだが、冬ならではの魅力も多い。寒さや雪を楽しむアクティビティーもしかり。極寒の季節だからこそおいしい食もある。県外の人たちに厳しい青森の冬をつかの間体験してもらえるような多彩なメニューの開発を期待したい。

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