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【西日本新聞】 党首討論ゼロ 国会改革の理想はどこへ

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 国会改革の理想はどこに行ってしまったのか。首相と野党党首が国や政治の在り方などについて議論する国会の党首討論が今年は一回も開かれなかった。
 森友・加計(かけ)学園問題や防衛省の日報隠蔽(いんぺい)問題を抱える安倍晋三首相は野党党首に追及される場面を避けたい、野党側は時間の短い党首討論より予算委員会での直接対決を優先した-そんな双方の思惑が先行したためのようだ。
 いずれにしても議論軽視の傾向が目立つ国会の現状を象徴する事態だ。双方に猛省を求めたい。
 「自民1強」が続き政権交代の可能性が薄れたとして党首討論を軽んじる空気があるとすれば問題である。党首同士の政策論議を通じて国政の課題を浮き彫りにする意義は大きいからだ。
 党首討論は国会改革の一環として2000年に本格導入された。閣僚に代わり官僚が答弁する政府委員制度の廃止、副大臣・大臣政務官制度の創設とともに前年成立した国会審議活性化法に基づく。
 衆参両院に常設された国家基本政策委員会の合同審査会として、原則週1回のはずだった。英国議会の「クエスチョンタイム」を参考にしたが、英国と異なり日本は首相も逆質問できる。
 過去には、04年11月10日に小泉純一郎首相が自衛隊のイラク派遣を巡り「自衛隊の活動地域が非戦闘地域」と物議を醸す発言や、12年11月14日には野田佳彦首相が「(自民党が議員定数削減の)決断をしていただくなら16日に解散していい」と電撃表明-といった政治史に刻まれる場面もあった。
 初年は8回開かれたが、その後は減少した。とりわけ安倍首相の再登板以降は年1、2回になり、14年に与野党で月1回を申し合わせたのに、ついにゼロになった。
 1回45分の時間制限では突っ込んだ論議にならない。首相が別の委員会や本会議に出席する週は開かない慣例も見直す必要がある。
 何よりも党首討論復活に向けて首相と野党党首に求められるのは、国民の前で国や政治の方向を堂々と語る気概ではないか。

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