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【デーリー東北新聞】 NHK受信料判決 放送法の見直し論議を

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 NHKの受信料制度が「契約の自由」を保障する憲法に違反するかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷は合憲と初判断した。テレビの設置者に受信料支払い義務を認めることで当面の解決は図られたが、約900万件にも上る未契約世帯からの受信料徴収をどうするのかなど疑問が膨らむ。
 テレビ放送を受信するのに機器の設置は当然とし、法的義務発生の基準点と定めたが、現代はコミュニケーション手段が多様化。テレビ放送も家庭などに固定された受信機器に限らず、ワンセグ付き携帯電話で視聴できるようになってきた。
 ホテルやテレビ付き賃貸アパートでは部屋の利用者からの受信料徴収が裁判で争われている。新しい社会状況にどう対処するのか。まずNHKの取り組みが問われるが、それとともに、放送法改正も含めた根本的な制度の見直しも必要だろう。
 これはNHKに任せて済まされる問題ではない。政府、国会などが幅広く検討を進め、国民から支持を得られる仕組みにしなければならない。
 最高裁判決のポイントは三つある。第一は、受信機器を置きさえすれば放送法で受信料の支払いを義務付けられるとしたことだ。未契約者は支払い請求を拒否できない。しかし最近、NHKでは制作費着服などの不祥事が起きている。政府寄りの放送が目立つとする批判も聞かれる。NHKが強制徴収に走れば反発はさらに強まるだろう。
 第二は、受信料制度は憲法が保障する契約の自由に反しないとした判断だ。ただし、NHKは機器設置者の理解と負担によって支えられると指摘、経営努力を求めている。海外には公共放送の受信契約制度を変更した国もある。これらを参考にその在り方を考えたい。
 第三は、未払い者に対する判決の確定で受信契約が成立し、支払い義務が発生するとしたことだ。しかし、判決の確定を待つのでは手間がかかり、現実的ではない。裁判を起こされなかった視聴者との公平も欠く。
 木内道祥裁判官は現行制度では受信契約の内容などが特定されず、判決により契約を成立させることはできないと反対意見を述べた。掘り下げるべき問題提起といえる。
 受信料の強制徴収はテレビ離れを加速させかねない。現行制度が支持を集めるには、まず公正な立場から優れた報道や番組を提供することが求められる。受け手の視聴者は多様であることを意識し公平負担にも配慮して論議を深めていきたい。
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