Home > 社説 > 地方紙 > 北海道・東北地方 > 陸奥新報(青森県) > 【陸奥新報】 本県平均寿命最下位「延び幅向上は確かな成果」
E080-MUTSU

【陸奥新報】 本県平均寿命最下位「延び幅向上は確かな成果」

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 
 2015年の本県の平均寿命は男性が78・67歳、女性は85・93歳だった。厚生労働省が5年ごとに公表しているもので、男性は1975年から9回連続、女性は00年から4回連続で全国最下位という不本意な結果となってしまった。
 ただ、前回からの延び幅は男性が1・39年で全国3位。高血圧を除く心疾患や自殺の死亡率で大幅な改善が見られた。女性も0・59年で25位となり、着実に延伸している。平均寿命そのものが低いため延び幅が大きくなりやすいとも考えられるが、それよりも「延びしろ」がまだまだあると前向きに捉えたい。
 全国に比べて、本県は40~50代の働き盛りの死亡率が高いほか、三大生活習慣病の死亡割合が高い。生活習慣に関わる喫煙率、多量飲酒者率、肥満者率、健診・検診受診率、スポーツをする人の割合などは軒並み下位に低迷する。食塩摂取量も昔よりは減ってはいるものの、まだまだ高い状況だ。しかし、これも見方を変えれば、課題がはっきりしていると考えられる。
 県は「県基本計画未来を変える挑戦」(14~18年度)で、特に重点的に取り組む三つの戦略プロジェクトの一つに「健康長寿県プロジェクト」を掲げた。戦略プロジェクトを通じ、生活習慣の改善や生活習慣病発症後の適切な治療の継続、スポーツを通じた健康づくりなどに取り組んでいる。
 減塩につなげようと県が14年度から取り組んできた「だし活」も、定着しつつある。今年9月には弘前大学などが、食生活改善推進員を通じて減塩の知識を広める「だし活キッチン」と称した事業をスタート。県内各地でだし活の輪が広がることを期待したい。
 だし活キッチン事業は弘大のCOI(センター・オブ・イノベーション)関連活動の一環。COIは弘大と県、弘前市、民間企業などが連携して認知症・生活習慣病などの早期予兆発見、予防法の開発に取り組むプロジェクト研究で、13年度に全国12拠点の一つとして文部科学省に選ばれた。
 「革新的『健やか力』創造拠点」として、疾病の予兆・予防法確立、県民の意識改革などさまざまな取り組みを展開してきた弘大COIや県が旗振り役となって進めてきた活動が、県内に広がりつつある。その結果として、平均寿命の延び幅が全国平均を上回るという成果が表れたと言えるのではないか。
 平成に入ってから平均寿命のトップ5に入り続けている長野も、かつては脳卒中の死亡率がワーストになるなど、初めから長寿県だったわけではない。長野は脳卒中撲滅に向けた減塩運動をきっかけに生活習慣を改善させ、平均寿命を延伸してきた。本県も県民一人ひとりがもう少し意識を高めれば、そう遠くない時期に最下位から脱出できるはずだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。