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【秋田魁新報】 米軍ヘリ、窓落下 危険性の除去が急務だ

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 在沖縄米軍の安全管理体制はいったいどうなっているのか。沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場に隣接する小学校の運動場に、海兵隊のCH53E大型輸送ヘリコプターの窓が落下した。体育の授業中で運動場には児童ら約60人がおり、窓が落下した場所は子どもたちから十数メートルしか離れていなかった。
 落下の影響で小石が飛び男児の腕に当たったが、幸いけがはなかったようだ。しかし、重大な人身被害につながりかねない極めて危険な事故である。海兵隊は安全点検のため普天間飛行場所属の同型機の飛行を見合わせるとしているが、同型機にとどまらず全てのヘリと航空機の飛行を見合わせるべきだ。
 沖縄県は、嘉手納基地などを含め県内に配備された全ての航空機の飛行停止と事故原因の究明、再発防止策を講じることを求めている。日本政府も住民の安全を何より優先すべきだと米側に強く迫ってもらいたい。
 窓は約90センチ四方で重さ7・7キロ。金属製の外枠があり、アクリル製とみられる透明板が現場に散乱していたという。子どもたちが感じた恐怖はどれほど大きかったことか。校舎に逃げ込んだ後に泣きだす児童もいたといい、学校は心のケアに万全を尽くしてほしい。
 7日には、同飛行場近くの保育園の屋根に同型機の計器カバーとみられる円筒状の物体が落下したばかり。加えて、同飛行場配備機の事故やトラブルも続いている。8月には輸送機オスプレイがオーストラリア東部沖で墜落。その後も大分空港や沖縄県の新石垣空港でオスプレイの緊急着陸があった。10月にはCH53Eが訓練中に出火し、沖縄本島北部の民間地に緊急着陸して炎上、大破した。
 周囲を住宅地に囲まれた同飛行場は「世界一危険な基地」といわれている。その基地を使う米海兵隊の安全意識が十分と言えないことは今回の事故からも明らかだ。沖縄県は、事故やトラブルがあるたびに米側に抗議してきたが、「実効性ある対応や具体的な成果は見えない状況」(同県基地対策課)という。
 ただし、ここで注意しなければならないのは、「だから、普天間飛行場の辺野古(名護市)への移設を早く進めるべきだ」と短絡的に考えてはならないことだ。
 日本の国土面積の1%に満たない沖縄県に、面積で7割以上の米軍専用施設が集中している。辺野古への県内移設は過重な基地負担を固定化するものであり、県内にこれ以上新たな基地を造らせないというのが沖縄県の立場だ。
 普天間飛行場が運用され航空機が飛ぶ限り、今回のような事故への不安はなくならない。沖縄県が求めているのは、そうした危険性の除去であり、5年以内の運用停止である。大惨事が起きる前に、政府は米国に働き掛け、危険性を少しずつでも軽減する対策を講じるべきだ。

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