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【社会新報】 税制改正方針 個人請負との「公平性」言うのなら

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 今年も税制改正・予算編成の時期を迎え、与党は当面、14日をめどとして税制改正大綱のとりまとめを急いでいる。今回の焦点は、年収800万円超のサラリーマン増税(対象者はサラリーマンの約5%、全体で1000億円規模)とされる。しかし、法人実効税率の段階的引き下げが既定方針として進む中で、安倍政権が標ぼうする「生産性革命」や「人づくり革命」に伴い、従来の賃上げ企業への法人税軽減や設備投資減税がどのように整理、または見直されるのか、さらに、来年度に限る話ではもちろんないが、19年10月予定の消費税率再引き上げによる増収分の使途を見直し、保育・幼児教育を柱とするいわゆる「教育無償化」などに充てるとする「2兆円の政策パッケージ」も、重要なチェックポイントだ。
 ここではサラリーマン増税について点検してみる。給与所得控除は一律で10万円引き下げ、高収入者の控除額上限も引き下げるという。一方、働き方や収入の源泉の違いにかかわらず全ての納税者が受けられる基礎控除は、現在の年一律38万円から年48万円に引き上げる。だが、高収入者の基礎控除は段階的に縮小し、一定額超の収入でゼロになる。公的年金控除も一律減額されるほか、年金以外の収入が一定額を超える人はさらに減らされる方向だ。
 でも、給与所得控除とはそもそも「必要経費」の控除なのだから、サラリーマンにも現在のみなし経費の一律控除以外に、個人事業主の申告控除と同様の選択肢を選ぶ道筋をもっと広げるのが筋ではないのか。なぜなら、今回の給与所得控除縮小の理由として、働き方が多様化する中、個人事業主として仕事を請け負うフリーランスなどの人たちとの公平性確保の必要性が挙げられているからだ。
 どうも政府は、銀行口座開設にあたってのマイナンバーの付番や行政機関同士の情報連携など、共通番号制度の利用拡大によって庶民の懐具合を把握することには大変熱心だが(一方で大企業や富裕層の租税回避対策には消極的と言わざるを得ない)、納税者を権利行使の主体として位置付ける発想は一貫して希薄だ。
 フリーランス重視についても、いわゆる「シェアリングエコノミー」拡大との絡みが公然と語られている。実態は労働者なのに労働者性は認められないとされる「ウーバー」運転手のような働き方の普及を側面支援するという本音が隠れているのなら、問題は大きい。 (社会新報2017年12月13日号・主張より)

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