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【読売新聞】 診療・介護報酬 同時改定で効率化を加速せよ

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 医療と介護の連携を強化し、効率的かつ効果的なサービス提供体制を確立する。超高齢社会にふさわしい制度作りを加速させることが重要だ。
 政府は、2018年度の診療報酬改定で、全体として1・19%引き下げることを決めた。6年ぶりの同時改定となる介護報酬は、0・54%引き上げる。
 診療報酬は医療の公定価格で、2年ごとに見直される。前回は0・84%の引き下げだった。実質的に3回連続のマイナス改定だ。
 医療職の人件費などに充てる「本体」部分については、0・55%引き上げる。医薬品価格の「薬価」部分は実勢価格に合わせて1・74%引き下げる。
 財務省は、財政健全化の観点から大幅なマイナス改定を主張し、本体にも切り込む姿勢だった。日本医師会は、政府が産業界に賃上げを要請していることを理由に、プラス改定を強く求めていた。
 近年、病院経営は悪化傾向にある。地方の医師不足や病院勤務医の過重労働も大きな問題となっている。全体の下げ幅を拡大しつつ、本体の微増を確保したのは、財政健全化と医療体制の安定の双方に配慮した妥当な判断だろう。
 診療行為ごとの個別の報酬設定は、年明けに議論される。
 全国的に過剰な重症者向け病床は、要件を厳格化して絞り込む。退院支援を担う回復期向け病床や在宅医療の報酬を手厚くする。超高齢社会に適した提供体制への転換を促す工夫が求められる。
 介護報酬は3年ごとに見直される。前回は2・27%引き下げられた。プラス改定は6年ぶりだ。
 前回改定以降、介護事業者の倒産が相次いでいる。人手不足が深刻な現状を考えれば、大幅な処遇改善が欠かせない。
 政府が掲げる「介護離職ゼロ」を実現するためにも、プラス改定は必要な措置だと言えよう。
 個別の報酬設定では、軽度者向けサービスの見直しが課題だ。限られた財源と人材を有効活用するには、重度者向けに給付を重点化することが避けられない。
 訪問介護で調理や掃除をする「生活援助サービス」は、軽度者の利用制限や報酬引き下げを検討すべきだ。自立支援・重度化防止の取り組みも進めたい。
 医療・介護費の膨張抑制は、社会保障を持続可能にするカギだが、必要なサービスの提供が危うくなっては、国民の安心は得られまい。病院依存から在宅ケアへの方向性に沿ったメリハリのある報酬設定にすることが肝要だ。

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