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【社会新報】 ICANノーベル賞 日本は「共犯者」なのかという問い

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 10日のノーベル平和賞の受賞式でカナダ在住の被爆者、サーロー節子さんと核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)事務局長のベアトリス・フィンさんが行なった講演は、核兵器禁止条約をめぐる問題の本質を見事に言い当てている。
 サーローさんは「核兵器は必要悪ではなく、絶対悪」「『核抑止』なるものは、軍縮を抑止するものでしかない」とし、「核兵器国の政府の皆さんに、そして、『核の傘』なるものの下で共犯者となっている国々の政府の皆さんに言いたい」「あなたたちは皆、人類を危機にさらしている暴力システムに欠かせない一部分なのだ」と言い切った。フィンさんも「核兵器は、化学兵器、生物兵器、クラスター爆弾や対人地雷と同様に今や違法となった。その存在は非道徳」と語った。
 核禁止条約参加を拒む日本の河野外相の、この2人の問いかけとはかみ合わない反応ぶりは、2人の言葉の重要さを裏側から照らし出してしまったようだ。
 外相は10日のコメントで「核兵器禁止条約は日本政府のアプローチとは異なるが、核兵器廃絶というゴールは共有している」と述べた上で、「北朝鮮の核・ミサイル開発をはじめとした現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら、地道に現実的な核軍縮を前進させる道筋を追求していく」と述べた。「究極的な核廃絶を目指す」という立場は、従来の政府の立場と何ら変わらない。その上で、いま必要なのは北朝鮮の脅威への対処だと強調される。
 8日に朝日新聞の取材に答えた言葉を読めば、外相の本音はより明確になる。「『全ての選択肢がテーブルの上にある』と言う米国が核兵器の使用をやめたら、核抑止は機能しない。現実の脅威がある中で『お花畑理論』をかざすことは、政府としてはできない」と語ったという。お花畑理論。このネット上の罵詈雑言レベルのレッテル貼りは、政府・与党幹部が自称するのが好きな「責任ある政党・政治家」が使うにふさわしい言葉だろうか。原発に関する過去の発言で多少期待した向きもあったろうが、ただのこだわりが実に強い一言居士でしかなかったということか。
 フィンさんは、これまでは単に運がよかっただけだとし、「一瞬のパニックや不注意、誤解された発言、傷つけられた自尊心」によって簡単に全ては破壊されると警鐘を鳴らした。核抑止論者には道徳心だけでなく、この危機意識もない。 (社会新報2017年12月20日号・主張より)

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