Home > 社説 > 地方紙 > 北海道・東北地方 > 福島民友新聞(福島県) > 【福島民友新聞】 新年を迎えて/危機意識持ち挑戦する年に
E115-FMINYU

【福島民友新聞】 新年を迎えて/危機意識持ち挑戦する年に

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 2018年が幕を開けた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から7度目の正月である。
 昨年は、原発事故で出されていた避難指示の解除が相次ぎ、除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設も本格稼働した。一方で、第1原発の廃炉はこれからで、原発事故の風評も根強く残るなど、復興再生への戦いは今年も続く。
 しかし、戦う相手はそれだけではない。県内を広く見渡せば復興需要はピークを過ぎ、さまざまな支援も減少しているという現実がある。震災前から続く業種間、産地間競争は激しさを増すばかりだ。どこにも負けない魅力のある「新しい福島」をつくり上げていくために危機意識を共有し、挑戦する年にしていきたい。
 急がなければならないのが人口減少への対策と地域の活性化だ。
 県の人口は震災前、200万人を超えていたが、昨年12月には187万人台にまで減少した。県や市町村は、国の地方創生策に基づいて、2015年度に5年間の総合戦略を作り、それぞれ施策を講じているが成果はまだ見えない。
 地域の活性化は、古くて新しい課題であり特効薬を見つけることは難しい。しかし悠長に構えている時間的余裕などないことをあらためて認識しなければならない。
 戦略作成から既に3年近くが過ぎている。その内容が、この間の社会変動やAI(人工知能)の進展などに果たして対応できているものなのかどうか。ここで見直し、今春からの残り2年で確実に成果を上げることが肝心だ。
 復興と活性化をともに実現していくための「鍵」を握るのは、県民はじめ、より多くの人々の「参加」である。東北芸術工科大の山崎亮教授は著書「縮充する日本」(PHP研究所)で、人口減少社会の問題を解決するために必要なのはこの国に暮らす一人一人の力だ―と指摘している。
 総合戦略の大きな柱となっている「人の流れをつくる」ための施策では主に、移住による「定住人口」や観光による「交流人口」の拡大を目指している。今年は、その中間ともいえる「関係人口」を増やしていくことを提案したい。
 関係人口は、地域の産品を購入したり、週末ごとに行き来してくれたりする地域の応援団のような人たちだ。「共感」し響き合える仲間を増やすことは地域の活性化だけでなく、風評など難題の解消にもつながるはずだ。
 今年は6月に県内外から大勢の人々が集う全国植樹祭、秋には任期満了に伴う知事選がある。戊辰150年、平成30年という大きな節目でもある。次の世代への責任を果たすために何をすべきか。よく考え思い切って実行していく熟慮断行の1年でありたい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。