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【陸奥新報】 2018年に思う「戌にふさわしい実りの年に」

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 2018年の年が明けた。今冬は雪の訪れが早かった。北国津軽の住人にとっては、日々の暮らしの一部として心に、体に根付く雪との共存の日々が続く。この冬があるからこそ、春の訪れを存分におう歌することができる。今年一年が温かくも平和な年になるよう、祈りながら日々を過ごしていきたい。
 昨年は、激動の年だった。緊迫する東アジアの国際情勢を背景に、北朝鮮が弾道ミサイルを相次いで発射。核実験も強行した。本県にとっても無縁なものではなく弾道ミサイルは2度、本県上空を通過、3度目は西海岸沖に落下した。天から降るものは、雪や雨などで十分だ。国際社会の毅然(きぜん)とした対応で、この一年こそは平和で安全な年を取り戻したい。  国内に目を転じると、新たな選挙区割り制度の導入後、初となる衆議院選挙が行われた。選挙は自民党が圧勝したが、政権側には首相周辺に生じたさまざまな疑惑が火種として残り、野党は場当たり的な離合集散を繰り返した結果、政権選択の受け皿たるを得ていない。国民の政治不信を払拭(ふっしょく)させるに、政治に携わる者に覚悟が求められる。
 津軽地方においても今年は、弘前市や黒石市、五所川原市、平川市などで首長選挙が予定される。地域のリーダーを決める重要な選挙だ。有権者も自身と地域の未来を託す一票となる。候補者の政策・主張をよく吟味し、最良の選択をしたい。
 地方には、ようやく景気回復の波が到達したのだろうか。有効求人倍率など各種経済指標には好反応を示すものがあるが、県民一人ひとりが実感するまでには至っていない。16年産の県産リンゴ販売額が3年連続で1000億円の大台を超え、輸出も好調なリンゴ産業をはじめとする1次産業と、国際空路や大型クルーズ船の充実などを背景に、好調に推移する訪日外国人客(インバウンド)観光を中心とした観光産業が青森県を引っ張っていくことになるだろう。
 本格的な人口減少社会が到来する中、昨年末に発表された本県の平均寿命は、男性が1975年から9回連続、女性は00年から4回連続で全国最下位という不本意な結果となった。ただ、大幅な改善が見られた項目もある。県民にはこれまで以上に長生きするための施策を積極的に進め、併せて交流人口の増加や移住対策を効果的に行い、住みよく活力ある青森づくりにさらにまい進したい。
 今年の干支(えと)・戌(いぬ)という漢字には「戈(ほこ)」という字が入っている。作物を刈り取りひとまとめに締めくくることを表しているという。さまざまな課題が山積する中で地方の自立をどのように果たしていくのか。これまで種をまき、芽を吹かせ、育ててきたものが私たちの未来にどのように役立っていくのか、良き物なりとなるよう、今年一年を励みの年としたい。

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