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【秋田魁新報】 新年を迎えて 地方の活力を引き出せ

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 2018年が幕を開けた。日本は人口減少と少子高齢化が急速に進み、地域の衰退が懸念される。北朝鮮問題は混沌(こんとん)としており、予断を許さない状況だ。先行き不透明な中、地方はいかに生きるべきなのか、改めて考え直す年にしたい。
 安倍政権は看板政策に「地方創生」を掲げ、東京一極集中の是正に向けた地域活性化策などを盛り込んだ「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を、15年度から5カ年計画で進めている。だが大都市圏の一部で人口が増える一方、多くの地方で人口が減る傾向に変化は見られず、歯止めはかかっていないのが現状だ。
 総務省によると、日本の総人口は16年10月時点で1億2693万人と6年連続で減少。減少したのは本県など40道府県。本県の減少率は1・30%で最も高かった。一方、増加したのは7都県で、増加率トップは東京の0・80%だった。政府はまち・ひと・しごと創生総合戦略を改定し、18年度は新たに地方大学振興に焦点を当てた対策に乗り出す方針だが、成果につながるかは不透明だ。
 重要なのは、地方で産業振興を強化するとともに働き方改革を進め、若者が働きたいと思える職場をもっと増やすことだ。起業を促す施策も一層必要だろう。大学進学や就職のため東京などに出て行く若者を無理やり地元にとどめることはできない。地元就職を促進するには、何より受け皿の整備が必要だ。地方の魅力を高め、活力を引き出したい。
 少子化対策も手詰まり感が否めない。16年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)は1・44で、人口を維持する水準の2・07に遠く及ばない。女性が子どもを産み、育てやすい環境づくりは急務だ。国や地方自治体は働く女性の意見に真剣に耳を傾け、実効性のある対策を打ち出してほしい。
 日本経済は景気拡大が高度成長期の「いざなぎ景気」を超え、戦後2番目の長さに達したとされるが、地方では多くの人が好景気を実感できずにいる。景気回復が輸出産業などの大企業に偏り、地方の中小企業が置き去りにされているからではないか。賃金が上昇し消費が上向かなければ、デフレからの脱却は難しい。大胆な金融緩和や財政出動などを柱とする「アベノミクス」の行き詰まりを指摘せざるを得ない。
 深刻さを増す北朝鮮問題にはどう臨むべきだろう。ミサイル発射と核実験を繰り返し、国際社会を挑発し続ける北朝鮮が今後どんな行動に出るかは見通せない。国連安全保障理事会による経済制裁が効果を上げているかを慎重に見極め、冷静かつ粘り強く対応したい。
 懸念されるのは、米国のトランプ大統領が強大な軍事力を誇示する中で米朝対立が先鋭化し軍事衝突に至ってしまうことだ。そうした事態を回避するには各国が連携を深め、外交による平和的解決の道を模索し続ける必要がある。戦争への反省を胸に平和を構築してきた日本が果たすべき役割は大きい。
 政府はミサイル防衛のため地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を配備することを閣議決定し、18年度予算案に盛り込んだ。候補地に挙げられているのが秋田市と山口県萩市。情報がない中で配備先に決まってしまうことだけは回避しなければならない。住民に対する十分な説明が不可欠だ。

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