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【山陽新聞】 6年目の安倍政権 丁寧な議論で政策実現を

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 第2次安倍政権は昨年末、6年目を迎えた。安倍晋三首相の在職日数は第1次政権からの通算で、既に戦後3番目の長さとなった。
 自民党は昨年10月の衆院選で圧勝し、首相が総裁に復帰して以降、国政選で5連勝した。「安倍一強」体制がさらに強固になった。さらなる長期政権をにらむ首相にとって、今年は大きな節目の年と言えるだろう。
 9月の自民党総裁選で3選を達成すれば、任期は2020年の東京五輪を超え、21年9月までとなる。19年11月には憲政史上最長の桂太郎政権をも上回る。
 こうした展望の下、今年は宿願である憲法改正を目指す動きを強めるのは間違いない。来年には4月に統一地方選、夏に参院選があり、与野党対決ムードが高まるのは必至である。首相としてはそれ以前の今年秋を一つの国会発議の好機としてとらえており、早ければ2月にも党改憲案を国会に示し、各党間の論議を促していく構えだ。
 そのためにも経済政策「アベノミクス」最優先の姿勢を続けるだろう。首相はこれまでも「地方創生」や「1億総活躍社会」「人づくり革命」など、新たな政策の看板を次々と打ち出しては国民の期待を引き留めてきた。
 だが、長期政権にもしあぐらをかくことがあっては、いつ飽きや反発が、国民の間で拡大してもおかしくはない。衆院選圧勝も、野党の分裂といった敵失に助けられた面も大きい。
 15年秋に成立した集団的自衛権行使を可能にする安全保障関連法や、昨年施行となった「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法などにみられるように、安倍政権はこれまで国論が二分されるような重要テーマで、しばしば巨大与党の「数の力」に頼ってきた。
 安倍首相には異論などを頭ごなしに退け、反論する姿勢も目立つ。森友、加計学園問題にしても、国民が納得する答弁を首相や官僚ができなかったことが、疑念を深めた一因だろう。
 首相は今年こそ、謙虚な姿勢で、与野党が国会で議論を尽くせる政権運営を心掛けるべきである。
 先進国で最悪な財政状況の健全化など、先送りが許されない課題にも腰を据えて取り組んでもらいたい。
 今月始まる通常国会では、「働き方改革」関連法案やカジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)実施法案などが議論される。「人づくり革命」の目玉とする幼児教育・保育の無償化の具体策もこれからだ。
 野党にも注文がある。政治に緊張感をもたらすのは健全な野党である。それを肝に銘じて、政策をしっかりと鍛え直してほしい。

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