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【沖縄タイムス】 [一括交付金減額]自主性を損なう手法だ

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 内閣府沖縄部局の2018年度沖縄関係予算案が年末に決まったのを受け、県は、新年早々から県の予算案づくりに着手する。
 沖縄関係予算の総額は3010億円で、17年度に比べ140億円の減。沖縄振興一括交付金も170億円減の1188億円にとどまった。
 政府の沖縄関係予算は、国の財政事情や予算編成方針に基づいて決定されるため、増えるときもあれば減るときもある。増減自体はいつでも起こりうることだ。
 だが、沖縄関係予算は、翁長雄志知事の下で、総額が2年連続、一括交付金が4年連続で減少しているのである。
 一括交付金はこれまで、繰越額や不用額の多さを理由に減額されてきたが、ソフト事業に充てる一括交付金の執行率は12年度の50・9%から16年度には79・5%に劇的に改善された。18年度予算の減額理由がはっきりしない。
 今年は名護市、沖縄市、那覇市など16市町村で首長選挙が予定されているほか、秋には県知事選も控えている。「国策に従わない知事への揺さぶり」ではないのか。
 沖縄関係予算は、米軍再編特別措置法に基づいて基地受け入れ自治体に交付される再編交付金とは性格が異なる。
 3千億円余の予算が、通常の国庫支出金とは別個に、基地受け入れの見返りとして沖縄にだけ計上されているわけでもない。
 復帰時に示された沖縄振興の「償いの精神」はどこへ行ったのか。原点に立ち返って総点検すべきだ。
 
 一括交付金は、沖縄振興特別措置法に基づいて創設された沖縄独自の制度である。使い道が多岐にわたり、自由度が高いのが特徴だ。
 これまでの補助制度では適用対象が限られ、十分な展開ができなかった事業についても、一括交付金を充てることで地域の特性を生かした事業を推進することが可能になった。
 観光、物流、農業、雇用、人事育成、離島振興など幅広い分野に活用できる一括交付金は、県や市町村にとってメリットが大きい。
 その予算が4年連続で減少しているのだ。それだけではない。一括交付金を減らす一方で、国の直轄事業費は軒並み増やしているのである。
 国直轄事業は、国が決定し実行する事業のこと。18年度予算編成にあたっては、概算要求の段階で総額を決め、国直轄事業を優先的に確保した上で、残った分を一括交付金に回すという手法をとったという。
 沖縄の自主性を骨抜きにする一方的な運用変更である。
 
 一括交付金の減額は市町村の事業にも影響を与えることになりそうだ。県と市町村は、沖縄関係予算を精査した上で早急に対策会議を開き、影響を洗い直してほしい。
 予算折衝とは政治力学が作用する場である。予算額を決める際に、ある程度、政治判断が働くのは避けられないとしても、今回の政府の対応はあまりに露骨だ。
 まさか政府は沖縄を「直轄地」と考えているのではあるまい。

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