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【福島民報】 【6年目の安倍政権】丁寧な説明が一層必要

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 安倍晋三首相にとって、2018(平成30)年は正念場の年となろう。2012年12月に政権に返り咲いてから6年目に入った。並々ならぬ意欲を示している憲法改正の実現に向け、自民党の改憲案を与野党に提示できるかが焦点だ。9月に予定されている自民党総裁選では連続3選を目指す。だが、安倍首相の姿勢に足りないものは「丁寧な説明」だ。首相が宿願とする改憲、総裁3選を果たそうとするならば、丁寧に説明する姿を国民に示す必要がある。
 安倍首相は改正憲法の施行目標時期を東京五輪・パラリンピックが開催される2020年としている。自民党が検討する改憲案は、9条への自衛隊の存在明記、教育の無償化・充実強化、参院選の「合区」解消、大規模災害などに対応する緊急事態条項の新設-の4項目。
 首相周辺は2019年の参院選前までの発議が欠かせないとみる。改憲の是非を問う国民投票は発議の60~180日後に行われる。発議の時期によっては、国民投票が天皇陛下の退位と皇太子さまの新天皇即位の後に設定され、改憲論議により皇室を巡る静かな環境を保てない可能性も生じる。そのため自民党内には発議は今年中が望ましいとの指摘がある。いずれにせよ、党の改憲案は年内には示すべきだ。そこから改憲の是非を含めた新たな議論が始まる。
 多くの国民は安倍首相の下での改憲に拒否反応を示している。昨年1月の共同通信全国世論調査では改憲賛成が43・7%、反対が45・0%だった。12月の調査では賛成36・0%、反対48・6%。改憲よりも、長時間労働の是正、子育てや介護の支援など生活に密着した課題の解決を望んでいるのではないのか。
 安倍首相は「丁寧に説明する」「謙虚な姿勢で真摯[しんし]な政権運営に当たる」と強調しているが、言動に疑問を抱き、いまだに森友・加計学園問題に対して厳しい視線を向けている国民は多い。安倍首相には国民が納得できるだけの努力と謙虚さが求められる。「一強体制」によるおごりはもはや許されない。今までのように数の力に頼れば信頼は一気になくなる。
 現行憲法は1947(昭和22)年5月の施行以来、1度も改正されていない。改憲への動きは戦後政治の転換点となり得る。総裁選で3選されれば、任期は2021年9月まで延びる。明治・大正時代の桂太郎首相を抜き、在職歴代1位も視野に入る。歴史上、どんな存在として名を残すかは安倍首相自身にかかっている。(川原田秀樹)

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