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【秋田魁新報】 今年の国政 「国民の声」聴く政治を

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 安倍政権は2012年12月の第2次政権発足時から6年目に入った。昨年10月の衆院選で大勝したが、長期政権のおごりが見られれば批判は免れない。国民の声に耳を傾け、真摯(しんし)な姿勢で臨まなければならない。
 政局の焦点に挙げられているのが憲法改正だ。安倍晋三首相(自民党総裁)は年頭所感でこの点に触れなかったが、昨年12月収録のラジオ番組で「選挙で大勝したからには当然、党で議論を進めてもらえるものと期待している」と述べ、党是である改憲への強い意欲を示した。
 自民党の憲法改正推進本部は昨年12月の論点整理で▽戦争放棄の9条1項、戦力不保持などを定めた2項を共に維持した上で9条に自衛隊を明記する▽9条2項を削除して自衛隊の目的などを明確化する―の2案を併記。今年は一本化を目指し、議論を進めるとしている。
 衆参両院は共に、改憲勢力が発議に必要な3分の2以上の議席を占める状況となっている。ただ、自民党と連立を組む公明党が9条改正には慎重な姿勢であるほか、野党第1党の立憲民主党などが反対しており、議論の行方は不透明だ。
 何より国民の間に改憲への機運の高まりが見られない。日本世論調査会が行った憲法に関する世論調査で、9条改正について「必要ない」が53%と半数を超え、「必要ある」は41%にとどまった。国会の改憲論議についても、67%が「急ぐ必要はない」と回答している。
 平和の礎となっている9条を、今なぜ変える必要があるのか。国民の多くがその理由を理解できないまま、改憲の手続きが先行していくことは避けるべきだ。国の根本に関わる重要案件だけに、慎重な姿勢が求められる。
 今年9月には自民党総裁選が予定されている。安倍首相が3選を果たせば任期は21年9月まで延び、首相の在職日数で歴代最長が視野に入る。だが肝心なのは、在任中に何を成し遂げるかだ。
 安倍政権はこれまで「地方創生」「すべての女性が輝く社会」「1億総活躍社会」など、新たなスローガンを次々掲げてきたが、大きな成果が上がったと胸を張れる状況にはない。地方創生にしても、むしろ大都市と地方の格差は広がっている。
 人口減と少子高齢化が加速し、今後の社会保障などの行方を多くの国民が不安視している。聞こえのいいスローガンを打ち出すのではなく、将来を見据えて国が進むべき方向を定め、次世代に大きなつけを回さなくて済むよう、一つ一つの政策を責任を持って実行しなければならない。
 安倍首相は昨年、森友学園・加計(かけ)学園問題への対応で傲慢(ごうまん)さが目立ち、多くの国民の信頼を失った。今月下旬に開会予定の通常国会で、首相がこの二つの問題にどう対応するかも見極める必要がある。

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