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【デーリー東北新聞】 経済展望 実感伴う景気回復の年に

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 日本経済は戦後2番目の景気回復局面にある。
 国内経済にはこれといった不安要因は今のところ見当たらないので、2018年も景気の回復基調は続くだろう。海外からの大きなショックが来ない限り、戦後最長の景気拡大期である「いざなみ景気」(2002年2月〜08年2月の73カ月)を抜く可能性も指摘されている。
 だが、景気回復の恩恵は生活者レベルに浸透していない。「実感なき景気回復」という状況を解消する手だてを講じることが、政府の課題だ。
 アベノミクスの最大の政策である金融緩和による円安株高現象が企業業績を好転させ、企業には利益が蓄えられている。
 その半面で、企業の利益が賃金増という形で十分に家計に反映されておらず、「実感」につながらない要因となっている。
 経済成長を図るために実施する経済政策の目的の一つは、社会不安につながる失業を広げることのないように手だてすることにある。完全失業率は昨年11月時点で2・7%と24年ぶりの低水準で、有効求人倍率は1・56倍と、約44年ぶりの高い水準だ。景気回復の中で労働環境は顕著に回復している。
 しかし、労働側の「売り手市場」という状況にもかかわらず、賃金増は図られていない。その原因の一つは企業の労働生産性の改善が進んでいないことだ。
 特に、雇用の増加が非製造業などの労働集約的な産業に顕著であるため、労働生産性の改善を伴いにくい雇用増だと指摘されている。
 高度成長期だった「いざなぎ景気」は消費主導型の景気拡大で、所得水準が向上してカラーテレビ、クーラー、自動車の「新・三種の神器」が普及したが、今回は少子高齢化や人口減少による国内市場の縮小や、先行き不安感もあって、消費の低迷が顕著だ。
 今年の経済政策の課題は実感を伴う景気回復を実現することであり、当面、今春闘の動向が鍵となる。安倍晋三首相は3%の賃上げを経済界に要請しているが、連合は定期昇給相当分と合わせて4%程度の賃上げ要求方針を決めた。
 就業者の実質賃金総額はこの5年間、前年比でほぼ横ばい状態が続いている。国内総生産(GDP)の約6割を占める個人消費の回復は、デフレ脱却に向けた持続的な経済成長に不可欠だ。中東情勢や北朝鮮問題など地政学リスクによる日本経済への影響が懸念されるため、景気回復の力強さを固めておく必要がある。
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