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【沖縄タイムス】 [県内経済]人手不足への対応急げ

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 県内経済はかつてないほど好調を維持している。消費、観光、建設とも旺盛な需要が続く見通しで、りゅうぎん総合研究所によると、県内景気は拡大域に入ってから、今年で6年目となる。
 景気拡大を受けて沖縄でも人手不足が激しくなっている。日本銀行那覇支店の昨年12月の企業短期経済観測調査(短観)で、企業の人手不足の深刻さが浮き彫りになった。専門家は、企業にとって今年は、人手不足へどのように対応するかが問われる1年となるとの見方で一致する。
 飲食店・宿泊業、小売業は観光産業の好調を反映して労働需要が高まっている。ホテルなどの民間工事、公共工事とも好調な建設業、高齢化の進展が影響する医療・福祉分野など、働き手の不足は幅広い業種に及んでいる。
 今後は、これまで就職をしていなかった高齢者や女性を活用していくための工夫や、設備やIT機器などの導入による省力化、生産性向上を進めていけるかが課題となる。
 県内の直近の有効求人倍率は1・14倍、完全失業率は4・0%と、過去に比べるとかなり改善した。ただ、全国は、それぞれ1・56倍、2・7%と、労働需給はさらにひっ迫しており、沖縄の人手不足は、県外に比べてまだ厳しくないともいえる。
 県内企業に欠員があるのは、求職側と求人側の双方が求める条件が合わないミスマッチが影響している。資格取得支援や職業訓練の充実、賃金・労働条件の改善など、ミスマッチ解消に取り組む必要がある。
 
 日本経済は緩やかな景気拡大が続く。内需はまだ力強さを欠くが、世界経済の拡大を背景にした輸出に支えられている。雇用情勢の改善が、伸び悩んでいる賃金の上昇に波及し、個人消費の回復につながることが期待されている。
 その恩恵が沖縄観光につながれば、国内客は堅調に推移し、アジアを中心とした外国客の伸長も続きそうだ。
 一方、拡大する観光の負の側面も露見してきた。ネットで注目されるようになったスポットに観光客が集中し、地域住民とのトラブルになったり、レンタカーの増加に伴う渋滞や交通事故の増加なども問題となっている。
 観光が沖縄経済に果たす役割を十分に認識するとしても、受け入れる側のコミュニティーや環境との調和を図るための知恵も出して行かなければならない。道路の渋滞など、成長の阻害要因となる課題への対応も求められる。
 
 新年号に掲載された企業のトップインタビューには、新たな事業展開を模索し、次代に備えようとする経営者の意気込みが随所にうかがえた。
 手数料ビジネスを本格的に収益の柱にすえる銀行。医療・介護事業との協業を目指す建設業。海外展開を積極化する製造業や農業…。環境変化に即応できる人材の育成への言及も目立った。
 将来的に人口減少と国内市場の縮小は避けられない。中長期的な戦略を描き、企業の存続を図ることは経営者の責務である。今年もさまざまなチャレンジに期待したい。

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