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【東奥日報】 内需主導の成長軌道に/経済展望

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 東証の大発会で2018年の日本経済が動きだした。日経平均株価は、世界経済拡大への期待感などから、2万3000円台を回復し、大発会としては26年ぶりの高値水準で取引をスタートした。
 17年の日本経済は緩やかな景気拡大が続いたが、輸出頼みの部分が大きく、内需はまだ力強さを欠いている。18年は米国の利上げ継続など海外経済のリスク要因が少なくない中で、経済を内需主導の成長軌道に乗せ、デフレ脱却の道筋をつくりたい。
 実質国内総生産(GDP)は17年7~9月期まで7四半期連続のプラス成長を記録した。現在の景気拡大は12年12月から始まり、17年9月に高度成長期後半の「いざなぎ景気」(57カ月)を抜いて戦後2番目の長さとなったとみられる。
 しかし、消費や賃金の伸びは弱く、好景気が続いている実感は乏しい。直近の17年7~9月期も、GDPの成長率は前期比で年率換算2.5%とかなり高いものの、その内実はひ弱である。
 内需の両輪のうち企業の設備投資はまずまずだが、GDPの約6割を占める個人消費は前期比0.5%減と低迷している。世界経済の拡大を背景とする輸出の好調に支えられた成長で、内需のけん引役は不在のままだ。
 県内に目を転じれば、日本銀行青森支店は県内景気について、昨年6月以降「緩やかに回復している」との総括判断を示している。確かに外国人観光客の増加や好調なリンゴ販売など明るい材料は少なくない。
 一方、本紙が県内主要企業を対象に実施した特別調査では、安倍政権の経済政策アベノミクスについて、効果が「出ている」と答えた企業が2割にとどまり、3割が「出ていない」と答えるなど、企業の足元では、経済政策の効果や景気拡大について厳しい見方をしている様子も浮かび上がった。
 今、確かな経済成長に必要なのが個人消費の回復であることは明らかだ。その鍵を握っているのは春闘での賃上げである。安倍晋三首相は民間企業に3%以上の賃上げを要請した。
 十分な賃上げが実施されれば、個人消費が拡大し、それによる「良い物価上昇」という経済の好循環がつくられ、デフレ脱却の展望が開けてくる。企業にはできる限りの賃上げを期待したい。

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