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【京都新聞】 南北連絡再開  緊張緩和につながるか

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 朝鮮半島情勢の改善につながるのだろうか。慎重に見守りたい。
 韓国と北朝鮮の南北直接電話回線が約2年ぶりに再開された。
 これに先立ち金正恩・朝鮮労働党委員長は「新年の辞」で、平昌冬季五輪へ代表団を派遣する用意があると表明。韓国側はこれを歓迎する意向を表した。
 直接回線の再開は金氏の指示によるものという。北朝鮮は韓国の人道援助や南北離散家族の再会も拒んできた。それだけに、今回の北朝鮮の方針表明は突然で臆測を呼んでいる。
 金氏は、新年の辞では「核のボタンは私の机の上に常にある」と対米強硬姿勢を強調した。
 一連の言動に、核・ミサイル開発のカードを保有したまま、米国を中心とした国際社会の軍事的、経済的な包囲網を緩めようという意図があることは明らかだろう。
 その上で韓国は、回線再開を受けて北朝鮮に高官級会談の開催を求めた。素早い反応は、南北対話を契機に米朝の交渉につなげようという文在寅大統領の構想を反映したものだ。
 南北軍事境界線の板門店はソウルから80キロほどしか離れていない。北朝鮮が一方的に連絡回線を遮断して以降、偶発的な衝突が懸念されていただけに、韓国民にとって再開は歓迎すべき出来事だ。
 今後は南北の協議や交渉がどのようなテーマで、どう進められるのか。各国が注視することになる。
 北朝鮮の方針転換が五輪期間に限ってのことや、米韓軍事演習を回避するだけの方便になってはならない。韓国は、北朝鮮が国際社会と対話する道へ進むよう導いてほしい。
 日本や米国は当面、北朝鮮の出方を静観する構えだ。中国は歓迎の意を表明している。
 注目すべきは、金氏の発言や北朝鮮当局の発表に異例の要素が目立つことだ。
 北朝鮮当局は一連の発表が金氏の承認の上に行われたことを明記した。その上で、韓国の文在寅大統領について初めて「大統領」の呼称を付けた。回線の再開発表は北朝鮮祖国平和統一委員会の報道担当者ではなく同委員会の委員長名で行われた。
 これらは、北朝鮮が韓国との関係改善を真剣に望んでいることの表れ、という解釈もでている。
 背景には、国連による厳しい経済制裁が効果を挙げていることがあるのではないか。北朝鮮の新しい動きは、国際社会の結束の成果だと受けとめたい。

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