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【読売新聞】 南北朝鮮会談 核放棄へ国際圧力は緩めるな

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 「核戦力」を振りかざす北朝鮮の危険な姿勢に変わりはない。韓国は、日米との連携を乱さずに圧力を維持すべきだ。
 朝鮮労働党の金正恩委員長が新年の演説で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実戦配備を宣言した。米本土全域を攻撃できる「核のボタン」が自分の机の上にあると言い放った。
 「信頼性が保証された核弾頭と弾道ミサイル」の大量生産や迅速な配備も指示した。
 ICBMは技術的に未完成だとの見方が大勢だが、日本に届く中距離弾道ミサイルは発射実験を重ね、性能向上が確認されている。軍事的緊張を高める挑発的な発言は、断じて容認できない。
 トランプ米大統領が「私の核のボタンは遥(はる)かに強力だ」とツイッターでやり返したのも、超大国の指導者として品位を欠く。
 金委員長は韓国に対し、2月に開かれる平昌五輪に代表団を送る用意があると表明した。南北当局間の直通電話を再開し、9日の高官級会談の開催にも同意した。
 韓国を取り込み、米韓を離間させることで、国際包囲網を弱める狙いがあるのだろう。
 新年の演説では、「人民生活の画期的な向上」も課題に挙げた。政権が困難に直面しているのは間違いない。背景には、経済制裁がじわじわと効いていることがある。ガソリン価格が上昇するなど国民生活にもしわ寄せが及ぶ。
 国連安全保障理事会は、北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射を受けて、石油精製品などの貿易規制を強化してきた。密輸の監視や摘発も進めねばならない。
 韓国の文在寅大統領は、北朝鮮が平昌五輪参加に前向きな姿勢を見せたことについて、「五輪を平和の契機にしようという我々の提案に応じた」と歓迎した。北朝鮮に一貫して融和的な文氏ならではの過大評価ではないか。
 文氏は就任以来、南北対話を繰り返し呼び掛けたが、北朝鮮に無視されてきた。五輪への参加を実現させて、政権の実績としたい国内向けの思惑が透けて見える。
 文氏とトランプ氏は、平昌五輪とパラリンピックの期間中は、米韓合同軍事演習を実施しないことで合意した。さらなる譲歩は北朝鮮への誤ったシグナルになる。韓国は南北会談で軍事挑発の停止を強く求めるべきだ。
 米国は北朝鮮に最大限の圧力をかけて、核・ミサイル開発放棄に向けた協議に引き出そうとしている。南北対話もこうした戦略に資する形で進めることが肝要だ。

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