Home > 社説 > 地方紙 > 北海道・東北地方 > デーリー東北新聞(青森県) > 【デーリー東北新聞】 国際展望 トランプ氏の言動注視を
E075-TOHOKU

【デーリー東北新聞】 国際展望 トランプ氏の言動注視を

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 昨年は世界がトランプ米大統領に振り回された一年だった。新年も最大の焦点は同氏の動向だろう。とりわけ北朝鮮と中東の「二つの危機」をどう鎮静させるのか。米国が北朝鮮に武力行使をすれば、日本も無傷では済まない。同氏の言動を注視、監視していかなければならない。
 トランプ氏は20日で政権発足1年。メキシコ国境の壁建設、環太平洋連携協定(TPP)離脱などの政策を掲げて当選し、公約通りTPPや温暖化防止のパリ協定から脱退し、「米国第一主義」を印象付けた。
 だが、メキシコ国境の壁建設や医療保険制度(オバマケア)見直しなどの実現は果たせず、昨年末にようやく税制改革法を成立させた。しかし、支持率は低下基調のままで、同氏は近く大型の公共事業計画案を公表し、政権浮揚につなげたい意向だ。
 11月には中間選挙が予定されており、上下両院とも与党共和党が多数派である現状を野党民主党が逆転するようだと、2020年の大統領再選に赤信号がともる。
 しかし、何といっても気掛かりなのはロシアゲートの捜査の行方だ。既に元側近ら4人が起訴されており、トランプ陣営とロシアとの共謀や大統領自身の司法妨害の疑いが深まれば、大統領弾劾の動きが強まるかもしれない。
 ロシアでは3月に大統領選が行われ、プーチン氏の4選が確実視されている。同氏は独裁化や西側との対決色を一段と強めるとみられる。同氏は中東などで米国のプレゼンスの低下に乗じて影響力を強めており、過激派組織「イスラム国」(IS)以後のシリアなどでこの流れを一段と加速しそうだ。
 中東ではサウジアラビアとイランの対立が激化している上、トランプ氏がエルサレムをイスラエルの首都に認定し、パレスチナ側が強く反発、緊張は収まりそうにない。
 日本にとって最大の懸念は北朝鮮だ。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は新年の辞で大陸間弾道ミサイル(ICBM)の配備を宣言する一方、平昌(ピョンチャン)冬季五輪への参加に前向きの姿勢を示し、南北直通回線が再開されるなど南北会談実現の動きも出始めた。
 米国は当面、こうした動きを見守る構えだが、トランプ氏はツイッターで金委員長の宣言に嘲笑的に応酬した。無用の挑発と言うしかない。同氏が今後、しびれを切らして北朝鮮への軍事行動に出る懸念が高まり、安倍晋三首相が自制を求める局面が来るかもしれない。北朝鮮危機は正念場を迎えている。
北朝鮮問題 「真の対話」に踏み出せ(1月5日) 経済展望 実感伴う景気回復の年に(1月4日) 政治展望 1強で前進する改憲路線(1月3日) 新年を迎えて 地方の底力を見せよう(1月1日) 今年を振り返って 「枠組み」の変わった一年(12月31日) リニア談合 捜査、深層に切り込めるか(12月30日) 安倍政権5年 「謙虚」はどこにいった(12月29日)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。