Home > 社説 > 地方紙 > 北海道・東北地方 > 秋田魁新報(秋田県) > 【秋田魁新報】 ハタハタ不漁 原因究明し対策強化を
E100-SAKIGAKE

【秋田魁新報】 ハタハタ不漁 原因究明し対策強化を

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 本県では今季の季節ハタハタ漁(沿岸漁)が不調に終わった。沖合漁を合わせた漁獲量は12月末現在約480トンで、前年同期(743トン)を250トン超も下回った。「今季こそは」と期待していた漁業関係者らはショックを隠せない。県はその原因を突き止め、来季以降の漁に向けて有効な対策を講じる必要がある。
 県によると、沿岸漁の漁獲量は約243トンにとどまった。県漁協総括支所別の内訳は北部(八峰町)24・7トン、北浦(男鹿市)61・4トン、船川(同)69トン、南部(にかほ市)86・8トンなど。とりわけハタハタの代表的な漁場である北部や北浦での不振が際立った。しけの影響で漁に出ることのできない日が多かったことも影響したが、北部や北浦ではまとまった群れの接岸も少なかったという。
 ハタハタの禁漁が明けた1995年以後、県や漁業関係者でつくるハタハタ資源対策協議会は漁獲枠を設け、資源管理を図っている。今季(昨年9月~今年6月)の漁獲枠は前年より80トン少ない720トンに設定した。沿岸漁が430トン、沖合漁が290トンだ。同時に県水産振興センター(男鹿市)の要請を受けて北浦地区が漁業日数の削減を決定するなど資源維持に向けた新たな試みも注目されていた。
 しかし、沿岸漁を中心に漁獲量が伸びず、最終的に漁獲枠を大きく下回る見通しだ。関係者からは資源量が減少していることが原因と指摘する声がある。厳しい資源管理にもかかわらず、なぜ漁獲量の減少につながったのか。取り過ぎが続いていたのか。そもそも推計資源量は適正だったのか。その算定方法も含め、しっかりと検証するべきだ。
 隣県などの漁獲状況も、本県のハタハタ漁を考える上で極めて重要となる。青森県から富山県までの日本海沿いの5県が同じ回遊群だからだ。見逃せないのが今季、青森県、山形県も漁獲量を大幅に減らしている点だ。回遊群全体の個体数が減っている可能性が考えられる。
 青森県の場合、漁獲量が2008年の1362トンをピークに、12年には209トンまで減少した。その後は800トン前後で推移していた。同県は11年ごろ、ハタハタ産卵場所の海藻が減っているなどとして、大規模な藻場の環境整備事業に着手し、水深5メートル前後の海底にコンクリートブロックを設置。そのおかげでホンダワラ類などが順調に育っているという。ここ数年は安定した漁獲量を確保していただけに、今季の不漁は予期せぬ事態だった。
 本県の藻場調査では海藻の減少はこれまで確認されていないという。地球温暖化による海洋条件の変化など、さまざまな要素が絡み合っている可能性があり、その分析が急がれる。こうした資源回復への取り組みは本県単独では限界がある。他県との連携強化が欠かせない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。