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【北國新聞】 南北高官級会談 北朝鮮の底意見極めたい

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 韓国と北朝鮮が9日に高官級会談を行うことで一致した。北朝鮮が年明け後、急速に南北関係改善のシグナルを送るようになったのはなぜか。平昌冬季五輪を何としても成功させなければならない韓国の文在寅政権は、2015年末以来の南北当局者会談の開催を大いに歓迎しているが、会談合意に浮つくことなく、慎重に北朝鮮の底意を見極める必要がある。
 日米両政府が、最大限の圧力で北朝鮮に政策変更を迫る戦略の継続を強調しているのは当然であり、文政権は日米との連携を崩してはなるまい。
 金正恩朝鮮労働党委員長は「年頭の辞」で、核弾頭と弾道ミサイルを大量生産し、実戦配備する取り組みを加速させると訴え、「核のボタンが常に机上に置いてある」と米国を威嚇する一方、平昌五輪に「選手団を派遣する用意がある」と述べて南北関係の改善に意欲を示した。
 「五輪カード」を使って文政権を揺さぶり、日米と韓国の間にくさびを打ち込む思惑があるとみられるが、文政権を懐柔するような金委員長の言葉は、国際社会の経済制裁が効き、窮地に追い込まれている証左でもあろう。
 計10回に及ぶ国連安全保障理事会の制裁決議で、北朝鮮は輸出による外貨獲得の道をほぼ断たれ、石油精製品の輸入量も大幅に制限された。制裁効果がより出てくるのはこれからであり、ここで手を緩めてはなるまい。平昌五輪を契機とした南北高官級会談が、朝鮮半島非核化に向けた長い道のりの一歩となればよいが、現在の金委員長が核放棄の呼び掛けに応じることは考えられない。
 もともと北朝鮮に親和的な文政権は、圧力最大化路線の日米に足並みを合わせながらも、北朝鮮への人道支援を決めている。9日の高官級会談では、北朝鮮の平昌五輪参加が決まる可能性もある。そうなれば、南北の緊張緩和につながる文政権の外交成果と言いはやされることになろうが、そのために取引に応じ、例えば、過大な人道支援で制裁効果を削ぐようなことはしてもらいたくない。

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