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【福島民友新聞】 成人の日/誇りと責任胸に未来開こう

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 あすは「成人の日」だ。県内では、きょう多くの市町村で成人式が行われる。
 大人の仲間入りをする皆さん、おめでとう。社会の一員としての誇りと責任を胸に、たくましく人生を歩んでいってほしい。
 ことしの県内の新成人は1万9954人(男性1万220人、女性9734人)で前年より261人減り、統計のある1981年以降で初めて2万人を下回った。
 新成人が生まれた97~98年を振り返ってみよう。大手金融機関の破綻などにより景気の後退が深刻化した一方、サッカー日本代表が初のワールドカップ出場を決めるといった明るいニュースもあった。県内では磐越道の全線開通や、Jヴィレッジのオープンなどが大きな話題になった。
 新成人が中学1年の時には、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が起きた。中には津波で親しい人を失ったり、古里を離れて生活した人もいるだろう。
 新成人は、多感な時代に多くの困難を経験してきた。だからこそ、強く前向きに生きていく力が育まれていると信じたい。支えてくれた周囲の人たちに感謝し、これからは自分が周りを支えることができるよう成長してほしい。
 社会はいま、国際関係が緊張感を増すなど混沌(こんとん)としている。AI(人工知能)やロボットの発達で近い将来、国内の約半数の仕事がなくなるとの推計もある。
 そんな時代、大切なものはなにか。それは他者を思いやり、協調し合うことではないだろうか。どんな技術の発展も、平和の実現も、人と人とのコミュニケーションがなければ成り立たない。
 政治に対する関心も高めてほしい。新成人は一昨年の参院選から選挙権を得た。しかし若者の投票率は低迷が続いている。
 社会をより良くしていくためにも、自らの権利をしっかりと行使できる大人であってもらいたい。
 最後に、吉野弘さんの詩「生命は」を紹介したい。
 詩は「生命は
 自分自身だけでは完結できないように
 つくられているらしい
 花も
 めしべとおしべが揃(そろ)っているだけでは
 不十分で
 虫や風が訪れて
 めしべとおしべを仲立ちする」で始まる。社会は、人と人との支え合いでできているということだろう。
 吉野さんは「私も
 あるとき
 誰かのための虻(あぶ)だったろう
 あなたも
 あるとき
 私のための風だったかもしれない」と結んだ。新成人が、多くの人との関わり合いの中で、美しい花を咲かせることができるよう願う。

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