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【西日本新聞】 再生エネと九州 好条件生かし一大拠点に

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 太陽光などの再生可能エネルギーは自然活動で生み出されるため枯渇せず、半永久的に継続して利用できる。温室効果ガスも出さないことから、地球温暖化対策としても注目されている。
 政府は2030年時点の電源構成比率で再生エネの比率を22~24%とし、導入を推進している。
 自然環境に恵まれた九州は再生エネの宝庫だ。太陽光を筆頭に風力、地熱発電などが稼働し、潮流を利用する発電の開発も進む。天賦の好条件を生かし、再生エネの一大拠点にしていきたい。
 ●太陽光で需要の8割
 昨年4月30日の朝から夕方にかけ、九州電力で電力供給が需要を大幅に上回る状況になった。日差しに恵まれた上に、連休期間中で電力需要も少なかったためだ。午後1時に太陽光の出力が最大となり、九州本土の需要の78%に相当する565万キロワットに達したという。
 一時的とはいえ、驚きの数字である。再生エネ活用で九州の可能性を印象付ける出来事だった。
 余った電力は揚水発電で消費した。日のあるうちに太陽光の電力で水をくみ上げ、需要の多くなる朝夕に水を落とし発電した。太陽光と揚水発電を組み合わせ、エネルギーを有効活用したわけだ。
 天候や時間で発電出力が大きく変動する太陽光や風力などの再生エネを電源として使うには、需要と供給のバランスを取りながら電力周波数を一定に保つことが欠かせない。これが崩れると周波数が変動し、最悪の場合に発電所が停止して停電する恐れもある。
 こうした事態を防ぐために優先給電ルールが定められており、九電はそれに従って揚水運転で再生エネの余剰電力を吸収した。
 ただし他電力会社への送電や火力発電の出力調整などをしても供給が需要を上回れば、再生エネ事業者に発電停止を求め太陽光などの出力を抑えなければならない。
 再生エネの普及を進める上で克服すべき課題の一つだ。政府は九州から本州へ余った電気を流す送電線を効率的に運用する技術開発のため、九電などを支援する方針という。より一層の再生エネ普及のためにも、国や電力事業者は積極的に取り組んでほしい。
 ●世界有数の地熱資源
 九州で潜在能力が高いのは太陽光ばかりではない。火山や温泉の多い地理的特性から、地熱発電も有望視されている。
 九電は戦後、電源を多様化するため九州の地熱資源に着目した。調査と研究に着手したのは1949年からだ。67年には、大岳地熱発電所(大分県九重町)が当時で全国2番目、九州では初となる運転を開始した。地下からくみ上げた熱水から出る蒸気でタービンを回す発電方式を初めて実用化した。地熱発電所の普及拡大に向けて、基盤となる技術を確立した。
 その後も鹿児島県などで相次ぎ稼働させ、2006年には八丁原地熱(同町)で低温低圧の熱水と蒸気を利用する発電も始めた。
 全体の出力は21万2千キロワットで、全国の約5割にも上る。地熱発電は燃料を輸入しない純国産資源で、天候に左右されないベースロード電源にもなるという。
 課題もある。発電所の開発には調査から事業性評価、建設までかなりの時間がかかる。資源の大半が国立公園内にあり、温泉地では反対運動も起きる。調査地点を探すのも容易ではない。
 原発がベースロード電源の中心になっている日本は、国際的に地熱開発が停滞しているといわれている。世界有数の地熱資源を最大限生かすためにも、九州での開発の拡大に期待したい。
 ●産学官の連携で産業化を
 鹿児島県のトカラ列島沖では黒潮を利用した海流発電の開発が行われ、長崎県五島沖でも潮の満ち引きを活用する潮流発電の実証実験に向けた準備が進んでいる。
 北九州市は響灘地区(若松区)に、洋上風力発電の風車の組み立てや専用の積み出し岸壁などを整備する方針という。アジアでも普及が見込まれ、韓国や台湾などの海外市場も視野に整備を急ぐ。
 再生エネを産業化すれば、裾野が広いだけに、地域経済の活性化にもつながるだろう。
 産学官が連携して域内の多種多様な取り組みをネットワーク化し、半導体や自動車と並ぶ九州の主要産業として育てていきたい。

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