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【秋田魁新報】 「幸福度」指標 暮らしやすさ高めたい

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 自分の人生に幸福を感じるかどうかは人それぞれで、何を重視するかも人によって異なるだろう。その幸福を客観的に測ろうと、日本総合研究所(東京都)は健康、仕事、教育、文化、生活の5分野の指標を基に「47都道府県幸福度ランキング」をまとめている。最新の2016年版で本県は総合28位だった。
 5分野の指標は生活習慣病受療者数、正規雇用者比率、勤労者世帯可処分所得、教養・娯楽費支出額など計65項目に細分化されている。本県は教育分野が4位と上位にあるものの、仕事分野や文化分野が下位だった。総合1位は福井県で、2位東京都、3位富山県と続く。福井県は教育分野と仕事分野、東京は文化分野、富山は生活分野でそれぞれ1位となっている。
 とはいえ、指標は全て客観的に数値化できるものばかり。確かに経済的なゆとりなどは幸福感を左右する。だが、本当にそれだけだろうか。本県での生活に、28位という数字以上に満足感を得ている人は少なくないのではないか。
 経済協力開発機構(OECD)は「主観的幸福」を測って政策決定などに役立てようと、調査手法などをまとめたガイドラインを13年に発表した。人々の暮らしを良くし、幸福を増進させる施策を考えるには、幸福が何によって構成されているかを理解することが不可欠という。
 主観的幸福を構成するものとして仕事や所得、健康などを含む「生活満足度」、充足感や喜び、不安などの「感情」、さらに「人生の意義や目的」などを挙げる。調査・分析を通じ、何が幸福感を高める要因であるかを探り、政策の立案や評価に生かすことを提案している。
 国内では内閣府の経済社会総合研究所が過去の調査データを基に幸福度研究を行うほか、自治体では東京都荒川区がGAH(グロス・アラカワ・ハッピネス=荒川区民総幸福度)を掲げ、区民の幸福実感を向上させる区政運営を目指している。
 荒川区は13年から毎年アンケートを実施し、健康・福祉、子育て・教育、産業など6分野で独自の46指標を用い、区民の実感を調べている。環境分野なら「困った人に声を掛けたり、協力したりしやすい雰囲気が地域にあると感じるか」などの指標を「大いに感じる」から「全く感じない」まで5段階で答えてもらい、施策や事業などの評価に生かしているという。
 幸福度ランキングのように、客観的な指標はもちろん重要だ。雇用や所得などは生活の基盤であり、それらを向上させる施策が必要なことは言うまでもない。ただし荒川区のように個人の幸福実感も大切にしたい。県民がいつ、何に幸福を感じるのかを分析する指標があれば、暮らしやすさや満足度を引き上げる施策につなげられるのではないか。県には本県独自の指標をつくり、幸福実感を高めるための取り組みを提案したい。

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