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【読売新聞】 安倍外交と安保 日米同盟の実効性一層高めよ

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◆首脳往来で対中関係改善したい◆
 北朝鮮の軍事的脅威が新たな段階に入り、日本の安全保障環境は一段と厳しくなった。外交課題も山積している。
 安倍首相は政権復帰後の5年間で、トランプ米大統領をはじめ多くの各国首脳と信頼関係を築いた。6年目に入り、成果が問われる1年となろう。
 北朝鮮問題では、核ミサイル開発の断念に追い込むという大前提を忘れてはならない。国際社会が制裁などの圧力を徹底し、包囲網を狭めることが先決である。
 それには、日米両国の緊密な連携が欠かせない。
 ◆「北」包囲網強化が急務
 首相は昨年、トランプ氏と5回会談した。電話会談は20回近くを数える。首脳同士の親密さに加え、外務省と米国務省、自衛隊と米軍など、様々なレベルで重層的に関係を強化し、日米同盟の実効性を高める努力が重要である。
 2012年の第2次内閣発足以降、首相の外国訪問は70か国・地域にも達した。その人脈をフル活用し、北朝鮮問題の解決に向けて議論を主導することが求められよう。
 北朝鮮の後ろ盾である中国の一層の関与も必要だ。北朝鮮への働きかけを中国に促すためにも、日中関係の改善を着実に進めたい。
 8月には、日中平和友好条約締結40年の節目を迎える。戦略的互恵関係を深める好機である。まず日本での日中韓首脳会談の日程を早期に確定し、李克強首相の初来日を実現させねばならない。
 その後、安倍首相の訪中、習近平国家主席の来日という首脳の相互往来を軌道に乗せるべきだ。
 日中間にはなお課題も残る。
 日本は、中国の経済圏構想「一帯一路」に対し、透明性や経済性の確保を条件に協力する方針だ。米国などと協調して「自由で開かれたインド太平洋戦略」を推進し、航行の自由や法の支配の重要性を粘り強く説く必要がある。
 ◆基地攻撃能力の検討を
 中国の覇権主義や軍事的影響力の拡大への関係国の懸念も強い。自衛隊と中国軍の偶発的衝突を防ぐ「海空連絡メカニズム」の合意と運用を急ぐことが肝要だ。
 政府は今年末に、新たな防衛大綱と、19~23年度の中期防衛力整備計画を策定する予定だ。日本の平和を守り抜く体制づくりに見合う中身が要求されよう。
 焦点の一つは敵基地攻撃能力保有の問題だ。ミサイル防衛態勢は確実に強化されているが、多数のミサイルが同時発射された場合、すべてを迎撃するのは難しい。
 被害を最小化するため、新規導入する巡航ミサイルなどによる敵のミサイル基地攻撃の選択肢を持つことを前向きに検討したい。
 防衛省は、護衛艦「いずも」を空母に改修する検討に入った。離島防衛をにらみ、米軍戦闘機の給油などを想定している。中国が複数の空母を建造するなど、軍備増強に拍車をかけているためだ。
 政府は専守防衛の観点から「攻撃型空母」の保有を禁じている。いずもを改修する空母は「防御型」のため、従来の見解に反しないという。国民に丁寧に説明し、理解を広げることが重要だ。
 防衛力の整備は、サイバー・宇宙分野などを含め、中長期的な視点からの多面的な検討が欠かせない。
 国の厳しい財政事情を考えれば、防衛費の大幅増は難しい。必要性の乏しい装備や人員の大胆な削減・合理化も避けてはならない。
 米軍普天間飛行場の辺野古移設は埋め立て本体工事が本格化している。米軍ヘリ部品の小学校への落下事故が起きるなど、現飛行場の危険性除去は待ったなしだ。
 2月に移設先の沖縄県名護市長選、秋には県知事選が予定される。地方選で国の安全保障政策が左右されてはならない。結果にかかわらず移設を進める必要がある。
 ◆領土戦略を練り直そう
 ロシアとの北方領土交渉は、16年12月のプーチン大統領の来日以降、停滞している。ロシアが、日米同盟の強化に警戒を強めていることが一因だろう。
 安倍首相は3月の露大統領選後、5月に訪露する方針だ。交渉戦略の練り直しが急務である。
 看過できないのは、韓国の文在寅大統領が昨年末、15年の日韓合意では「慰安婦問題は解決されない」と明言したことだ。今月4日には元慰安婦に謝罪した。
 政府間で「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した問題を蒸し返すことに、合理的な理由はない。国際社会の支持も得られまい。
 日韓関係の悪化は、北朝鮮を利するだけだ。韓国は、そのことを十分に自覚すべきである。

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