Home > 社説 > 地方紙 > 山陽新聞(岡山県) > 【山陽新聞】 成人の日 民主主義の担い手として
E235-SANYO

【山陽新聞】 成人の日 民主主義の担い手として

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 きょうは「成人の日」。全国で約123万人、岡山県内では1万9900人余りが大人の仲間入りをし、きのうは各地で成人式が行われた。節目に臨み、それぞれが決意を新たにしたことだろう。
 123万人という数は、統計がある1968年以降でみると、ピークだった70年(約246万人)の半数にすぎない。出生数は今、さらに減って年に100万人を割り込んだ。少子化を改めて痛感させられるデータである。
 同世代の仲間が少ないことの是非は一概には論じられまい。ただ、しばしば指摘されてきたのが政治に与える影響力の世代間格差だ。
 「シルバー民主主義」。日本の政治状況をやゆする言葉である。65歳以上の人口は、18~29歳に比べれば2倍を超す。加えて、選挙での投票率も高齢世代が若年世代を大きく上回っている。
 仮に投票率の差が2倍とすれば、有権者数の差と合わせて、若い世代は政治に対する影響力を4分の1しか持ち得ないことになる。各党もおのずと中高年層を意識した政策を優先し、若者の政治離れがさらに加速する。そんな悪循環が言われてきた。
 2016年の参院選では国政選挙で初の「18歳選挙権」が導入された。各党が掲げる公約にも、若い世代を意識した内容が増えてきた感がある。10代や20代の票の掘り起こしを狙った選挙イベントも行われており、若い有権者に目が向けられることが増えていくことは確かだろう。
 政府は昨年、子育て世代の支援へ向けて、幼児教育・保育の無償化を進め、住民税非課税世帯は国立大学で入学金や授業料を免除するといった政策を打ち出した。「人づくり革命」と銘打ち、看板政策を次々と掛け替えていく政府の手法には批判的な見方もある。ただ、これまで高齢者に偏りがちだった社会保障を全世代型に変えていく動き自体は評価できるものだ。
 無償化とは別に、所得の低い世帯で学習意欲が高い学生向けに、返済不要の給付型奨学金も創設された。6人に1人の子どもが貧困世帯で暮らすなど世の中の格差が広がり、意欲はあるのに経済的な理由で大学を諦めざるを得ない若者がいる。そうした現実を踏まえた政策といえる。
 今、憲法改正に向けた動きが加速している。国会で改憲案が発議されれば、施行後初めての改憲という極めて大きな判断が国民投票を通して主権者である私たちに委ねられる。今年は国政選挙は予定されていないものの、来年は参院選や、身近な統一地方選が控えている。
 これからの社会を、より長く生きていく世代の声を、政治にもっと強く反映させることが大切だ。無関心や「どうせ変わらない」といった無力感を克服し、民主主義の土台を強くしていく。若者の政治参加の流れを太く、確かなものとしたい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。