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【信濃毎日新聞】 セクハラ告発 現実直視し意識改革を

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 セクハラの深刻な被害を訴える人たちの声が、世界中に広がりつつある。
 米ハリウッド映画界で昨年10月に発覚した大物プロデューサーのセクハラ行為が発端だ。「自分も被害を受けた」と告発する女性たちが音楽界や政界にも増え、有力者が相次いで要職を追われた。
 ツイッターでは「#MeToo」(「私も」の意味)のハッシュタグ(検索目印)を付け、被害を告発する動きが活発化。国内でも訴える人が増えている。
 「私も」のタグを付けた書き込みは少なくとも85カ国で170万件以上に上っており、世界を動かすうねりになりつつある。
 セクハラや性被害は、発覚するのは氷山の一角とされてきた。これほど多くの人たちが被害を受け、胸にしまい込んできた現実に驚かされる。直視して、被害防止と意識改革、被害者の救済に取り組む必要がある。
 国内の書き込みにも、深刻な内容が少なくない。
 「私が乱暴されているのを見ていた人たちが忘れられない」「仕事で行った(男性の)家で押し倒された。嫌だったけど偉い人だったので逆らえなかった」―。
 被害者たちが心にしまい込むのは報復を恐れたり、「自分が悪かったのではないか」という意識が働いたりするためとされる。「被害者にも非がある」という論理的でない風潮が残っている影響も、被害者を苦しめる。心の傷を引きずっている人も多い。
 国内で被害者たちが声を上げ始めた背景には、ジャーナリストの伊藤詩織さんが昨年、自らの性暴力被害を告発し、社会の問題点を指摘した影響も大きいだろう。
 ある女性作家は「伊藤さんに勇気をもらった」として、セクハラ被害を相手の実名入りで告発。相手は事実を認め謝罪している。
 問題は告発した人に対するいわれのない中傷も出ていることだ。女性作家もツイッターなどで過去の言動などが批判された。あら探しをする行為は告発者を萎縮させる。理不尽な中傷は慎まなければならない。
 告発内容は、性犯罪といえるものから、認識不足による配慮を欠いた言動まで幅広い。波風を立てないため、被害を受けてもやり過ごしている人も多い。
 必要なのは、セクハラは許さない、という意識を一人一人が持つことだ。黙認すれば被害はなくならない。今回の動きを一過性に終わらせてはならない。身近な行為からただしていきたい。 (1月8日)

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