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【富山新聞】 バイオ医薬品の開発 「薬都富山」飛躍の推進力に

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 製薬大手のアステラス製薬(東京)が富山市内にバイオ医薬品の技術研究開発拠点を整備し、抗がん剤など新薬の市場投入を目指して新年度から治験薬を増産する。生物由来で副作用が少なく、急速な市場拡大が見込まれるバイオ医薬品については、富山県も地元企業の技術レベルの向上を後押ししており、新分野の開拓が「薬都富山」の飛躍の推進力になることを期待したい。
 富山県は2015年の医薬品生産金額が7325億4400万円と、初めて全国1位になった。ただ、近年は薬価の引き下げやジェネリック医薬品(後発薬)の利用促進などで市場規模は横ばい状態にある。県内業界が掲げる「1兆円産業」達成を目指すためには、バイオ医薬品など付加価値の高い製品の開発が課題となる。
 アステラス製薬が整備したバイオ生産技術棟には、バイオ医薬品の治験薬製造や商業生産のラインが設けられ、国内外の品質基準に適合した複数の治験薬を同時に生産できるという。同社はバイオ医薬品を成長の柱に据えており、富山での拠点整備は地元企業にとっても大きな刺激になるだろう。
 県内の製薬企業ではバイオ医薬品の研究は緒に就いたばかりであるが、新たな動きも出てきた。昨年秋には陽進堂(富山市)の子会社が韓国企業と、バイオ医薬品の後発薬に当たる「バイオ後続品」の開発や販売を独占的にできる契約を結んだ。後発薬最大手の日医工(同)は、同社初のバイオ後続品となる抗リウマチ薬の製造販売承認を取得し、販売に乗り出す。県内業界にとって、新分野進出への大きな一歩と言えるだろう。
 富山県も新年度、バイオ医薬品の研究開発や人材育成の取り組みを本格化させる。5月には射水市の県薬事研究所に整備中の「未来創薬開発支援分析センター」(仮称)が供用開始を予定しており、薬都の将来を切り開く中核施設としての役割が期待される。創薬科学科を有する富大薬学部や、最先端の酵素研究に取り組み医薬品工学科も新設された県立大の知見も最大限に活用し、富山の地にバイオ医薬品の確固たる基盤を築いてもらいたい。

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