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【福島民友新聞】 交通事故死68人/ゼロへの道を着実に進もう

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 交通事故ゼロへの道をしっかり歩み続けていきたい。
 県内の昨年1年間の交通事故死者数は、前年より22人少ない68人で、1953(昭和28)年以来64年ぶりに70人を下回り、平成に入ってから最少を更新した。人身交通事故の件数も前年より214件少ない5588件だった。
 ただ死者数は、人口10万人当たりで換算すると本県は3.58人で、全国平均の2.91人を大きく上回っているのが現状だ。
 県は「第10次交通安全計画」で2020年までに死者数を「60人以下」にすることを掲げている。依然として多くの人が交通事故で命を失っている事実を重く受け止め、事故防止への取り組みを強めなければならない。
 交通事故の発生件数と死者数の減少傾向は全国的だ。昨年の全国の死者数は前年より210人少ない3694人で、統計が残る1948年以降では最少となった。発生件数も前年より約2万7千件少ない約47万2千件となった。
 減少傾向について、県警や警察庁などは、道路交通法の改正や交通安全教育の充実、交通安全施設の改善、自動車の安全性向上―など、総合的な取り組みが功を奏した結果と分析している。
 このうち車の安全性に関しては、シートベルトやエアバッグの効果に加えて、追突を防ぐ自動ブレーキの搭載などが寄与しているものとみられる。自動車メーカーによる研究開発は急速に進んでいる。機能の充実とともに、より多くの人が安全な車に乗ることができるような価格設定も求められる。
 大きな課題になっているのが高齢者の事故防止だ。県内の事故死者のうち、65歳以上は37人で、全体の54%を占めた。本県の65歳以上人口が30%であることを考えれば、高齢者の事故防止は喫緊の課題であることが分かる。
 高齢者は事故の被害者だけでなく、加害者になるケースも増えており社会問題になっている。各地で高速道路の逆走やアクセルとブレーキの踏み間違えによる暴走などが相次いでいる。県内でも今月5日未明、須賀川市の東北道下り線で85歳男性が逆走し、大型トラックと衝突する事故が起きた。
 昨年3月には、高齢運転者に対して認知症の確認を強める改正道交法が施行された。運転技術が衰えれば、免許を自主的に返納することが望ましい。しかし、車がなくても暮らすことができる環境がなければ返納は進まない。必要な規制を行う一方で、マイカーに代わる足の確保などの支援策を着実に整えることが肝心だ。

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