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【京都新聞】 シェア経済  地域づくりに生かせる

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 インターネットを介してモノや場所など共有し、ビジネスにつなげる「シェア経済」が京都や滋賀を含む全国で広がっている。
 右肩上がりの経済を前提に大量生産、大量消費、大量廃棄を続ける「成長一辺倒」の社会を見直し、持続可能な成熟経済や「分かち合い社会」につながる動きとも言える。地域の課題解決に結び付く例もあり、行政も注視してほしい。
 空いている個人宅の車庫や未契約の月決め駐車場を一般に貸し出すサービスを展開する企業は、提携先を京都府内約630カ所、滋賀県内約120カ所(昨年9月現在)に広げている。店の空きスペースを観光客らの荷物預かりに活用する企業も、昨春から京都に進出。嵐山や京都駅といった地域の飲食店などで業務を始めた。
 先行する自動車や自転車のシェアリングはもとより、人材や技術、農地、家電などの共有システムも広がる。いずれも共通するのは、スマートフォンのアプリなどで簡単に需給のマッチングや場所の検索、予約、料金決済ができる点だ。シェア経済は、IT(情報技術)の発展と不可分である。
 消費者には便利な上に、所有コストを削減でき、環境にやさしい生活ができる。自他ともに利点があり、シェア経済の流れは世界的に加速している。新たな商機として、ベンチャーのみならず大手も参入をうかがう。
 一方で摩擦も小さくはない。代表例が、空き家や空き部屋を観光客に貸し出す「民泊」だろう。京都市では許可を受けていない違法民泊が急増し、ごみの投棄や騒音などが市民生活を脅かしている。
 国は5月施行の新法で民泊を前向きに進める方針だが、市は条例で規制を強化する構えである。地域に応じた対応は当然だ。貸し手と借り手が良ければいいとの発想だけでは安心や安全が保てない。
 その点、かつては全面禁止だった自家用車を使った配車サービスは、タクシーなど民間事業者がない地域で国が試行的に認め、府内も京丹後市の一部で取り組む。過疎地の貴重な足になる可能性が指摘されている。また大津市は昨年、「子育てシェアリングエコノミー交流会」を開催。子どもの送迎や預かりを取り持つサービス事業者らと市民を集めるなどして、シェア経済の支援に乗り出した。
 人口減が進む中、公的サービスには限界がある。隙間を埋めるシェアサービスを地域ビジネスとして、暮らしや既存事業者との調和を図りつつ育てたい。

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