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【デーリー東北新聞】 十和田市の「14—54」 中心街活性化の拠点に

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 十和田市中心部のアーケード街の古い空き店舗を改修した交流スペース「14—54」が2017年春にオープンした。アートの企画や作品展、ライブなど市民参加型の催しが盛んに行われている。普段は開放的な空間に幅広い世代の人々が集まり、雑談や読書などを楽しむ交流の場としても活用される。官庁街通りの市現代美術館の周辺と、中心商店街との回遊性を高める拠点となるよう期待したい。
 近年、公設民営の交流拠点施設は全国で整備されているが、この交流スペースは開設から管理・運営までを民間の力で担っているのが特徴だ。管理するのは同市に移住した米国出身の男性2人が立ち上げた企業「クイーン・アンド・カンパニー」。ウェブツールの開発や翻訳などが本業だ。主に首都圏など県外から受注した売り上げの一部を「14—54」の運営費に充てる形で「地方に落とす」という、ユニークな経営方針で地域社会に溶け込もうとしている。
 街なかの交流空間を提供するのは商売ではなく地域活性化が狙いのため、市民のイベントでの利用は営利目的でなければ無料で貸し出す。使用条件もほぼ自由で、企画のアイデア次第で柔軟に活用できるのも民間主導の施設の利点と言えるだろう。
 また、施設は現代美術館のサテライト的な機能も有する。同館で開催した世界的な画家横尾忠則氏や美術家森北伸氏の企画展と関連させ、施設では作品づくりのワークショップを行った。さらに、美術館所蔵の芸術書などを読めるライブラリーも常設し、立ち寄った人は気軽にアートと触れ合える。
 アート体験などの催しや日々の交流スペースの利用を通じて人々がつながり、地域主体で新たな企画を生み出していけば、街ににぎわいを取り戻すことも不可能ではない。周辺の商店主の中にも「14—54」と連動したまちおこしの可能性に期待を寄せ、実際にこの施設でイベントを仕掛ける動きも出てきた。
 ただ、空き店舗が目立つようになった中心街で回遊性を高めるには、単独の施設の集客に頼るだけでは限界がある。例えば若者が好むおしゃれなカフェや雑貨店などをはじめ、多くの人が足を運ぶ拠点が複数あり、その有機的な結び付きの中でまちづくりや文化への市民の関心を高めていくことが必要だろう。
 なお、市は寄付を受けた中心街の旧みちのく銀行稲生町支店を今後解体し、アートなど多様な用途に対応した施設を新設する方針だ。「14—54」など民間との連携も模索してほしい。
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