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【陸奥新報】 国会改革「審議充実へルールの検討を」

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 与党は22日召集の通常国会で、安倍晋三首相の常任委員会への出席削減、与党の質問時間拡大など国会運営の見直しを提起する方針だ。「森友・加計問題」などの追及に後ろ向きな与党の姿勢とともに、連携に難のある野党の力不足が透けて見える。充実した審議に向けて国会改革が叫ばれて久しいが、これを機会に時の権力に左右されないルールづくりも検討すべきではないか。
 焦点となっている質問時間をめぐっては、国会法などに規定がない。与党は昨年の特別国会で質問時間配分見直しを主導し、従来の与野党「2対8」から、おおむね「3対7」に変えた。これはあくまで一時的なもので、通常国会では改めて「5対5」を求めるとみられる。
 ところが与党の質問時間が増えた特別国会の衆院委員会では、与党側が政府判断の擁護に終始した。野党側は追及を少しでも減らそうとしただけと反発、立憲民主党の幹部からは「政府の言い分を補強する質問をするため時間を欲しがったのか」と皮肉られた。
 さらに与党は首相と野党党首が1対1で議論する党首討論を毎月開催する代わりに、予算委員会などへの首相出席を大幅に減らすことも目指す。
 その理由として自民党は安倍首相の国会出席時間が2016年に計376時間で、ドイツや英国の10倍近くに達し、外交や国際問題対応へ影響が及ぶとする。
 予算委では1日約7時間、拘束される場合が多い一方で、党首討論は全体でも45分と短い。このため野党側が予算委で質疑時間を確保することを優先、毎年数回程度開催されていたものの、17年はついにゼロに終わった。
 なぜ野党側が党首討論を避けるのか。党首討論が行われる週は慣例により、本会議や各委員会への首相出席を求めることができない。このため野党側は「通常7時間の予算委の方がいい」(立憲幹部)とし、共産党の穀田恵二国対委員長は「首相に対する質問時間の圧倒的な縮小につながった」と断じる。
 ならば党首討論の時間を増やし、野党の質問時間配分にも配慮すべきだろう。国会改革は審議の充実を目指すものでなくては意味がなく、質問時間配分に一定のルールを設けるか否か、また党首討論も月1回の開催でいいのかを含め、各党・会派をメンバーとする検討組織を常設すべきだ。
 昨年の衆院選で大勝し、今秋の自民党総裁選で3選を目指す安倍首相。地元・山口での後援会の新年会で「決しておごることなく、責任を果たすために全力を尽くす」などと語った。
 ならば数の力で慣例を変えず、野党の主張に耳を傾け、一定のルールづくりを検討するよう、自民党総裁として党に指示すべきではないか。国民・有権者の理解が得られる国会改革こそ必要だ。

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