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【京都新聞】 南北会談  真意の見極めが必要だ

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 北朝鮮問題をめぐる日韓、および日米韓の協調に隙をつくらない。南北対話は、それが前提でなければなるまい。
 約2年ぶりとなる韓国と北朝鮮の当局間会談が、軍事境界線上の板門店で開かれた。1カ月後に迫った平昌冬季五輪への参加を北朝鮮が正式に表明。韓国は偶発的な軍事衝突を防ぐための軍当局の会談などを提案し、今後の南北関係についても話し合ったとみられる。
 会談が、朝鮮半島の緊張緩和への一歩となるなら望ましいことだ。対立を深める米朝関係の行方にも大きくかかわる。
 ただ、これまで対話の呼び掛けを無視してきた北朝鮮が、唐突に韓国の提案を丸のみする形で閣僚レベルの会談に応じた点には、不自然さが否めない。米本土に届く核搭載の大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発の時間を稼ぐために、見せかけの態度軟化を演じているとの疑念は拭えない。
 会談内容の全体像は明らかでない。北朝鮮の動静を引き続き注視し、その真意を見極める必要がある。
 昨年、北朝鮮のミサイル発射は15回を数え、9月には核実験を強行した。今年の年頭の辞で「核のボタン」に言及した金正恩朝鮮労働党委員長が、従来の路線を直ちに転換することはあり得まい。
 一方で、トランプ米大統領の「私のボタンの方が強力」とやり返すような直情的な言動が、不測の事態を半島にもたらす恐れも指摘されている。
 北緯38度線を挟み北朝鮮と向き合う韓国にとって、早期の緊張緩和が重要なことは理解できる。ただ、韓国が対話へと一方的に傾けば、国際的な対北朝鮮包囲網を主導してきた日米韓の連携に悪影響を及ぼしかねない。圧力強化に慎重な中国、ロシアがどう反応するかも気掛かりだ。
 北朝鮮の狙いは、そうした離間を誘うことにあると考えるのがむしろ自然だろう。
 国連決議に基づく経済制裁の完全履行で、各国が足並みをそろえ、北朝鮮の核・ミサイル開発資金を断つ。地域の安定のためには、それが当面の最優先策であるはずだ。
 北朝鮮に誤ったメッセージを送ることがあってはならない。同時に金氏は、自らが政策を変えない限り、望むような南北関係改善や制裁緩和はあり得ないことを認識すべきだ。
 韓国の文在寅大統領は、一貫して対話重視の姿勢だ。だが融和を焦ってはなるまい。

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