Home > 社説 > 地方紙 > 北海道・東北地方 > 秋田魁新報(秋田県) > 【秋田魁新報】 南北会談 緊張緩和につなげたい
E100-SAKIGAKE

【秋田魁新報】 南北会談 緊張緩和につなげたい

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 韓国と北朝鮮による南北閣僚級会談が9日、南北軍事境界線にある板門店で開かれた。南北会談は2年1カ月ぶりで、韓国の文在寅(ムンジェイン)政権発足後は初めて。北朝鮮が、開幕まで1カ月に迫った韓国・平昌(ピョンチャン)冬季五輪に参加することを正式表明した。
 北朝鮮が国連安全保障理事会の警告を無視して核実験とミサイル発射を繰り返していることで、東アジアの緊張感は高まっている。4年に1度の平和の祭典がそうした極度の緊張感の中で開催されるのは望ましいことではない。北朝鮮が参加を決めたのは歓迎すべきことだ。両国が五輪の成功に向かって協力し合う態勢がつくられることを望む。
 今回の会談で韓国代表団は北朝鮮に、合同で入場行進することや応援することを要請した。合同での入場行進は2000年シドニー五輪で初めて行われ、その後アジア大会などでも続けられたが、07年のアジア大会を最後に見られなくなった。冷え込んでいる両国の関係を改善に向かわせるにはそうした行動を重ねていくことが重要だろう。
 文政権は北朝鮮に平昌五輪参加を呼び掛けていたが、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が1日の「新年の辞」で、その可能性に言及。韓国大統領府は同日中に歓迎の意向を表明し、翌2日には南北会談の開催を求めるなどスピーディーな展開が見られた。
 4日には文大統領とトランプ米大統領が電話会談で、五輪開催中は米韓合同軍事演習を行わないことで合意。トランプ氏はツイッターで「対話は良いことだ」と歓迎した。この過程を見る限り、昨年末までの対立ムードは幾分和らいだ印象がある。
 大切なのは、こうした緊張緩和の流れを五輪開催中にとどまらせず、継続していくことだ。北朝鮮が柔軟姿勢を示すのは最近なかったことであり、各国が圧力強化とともに外交努力を重ね、北朝鮮を核放棄に向かわせることが求められる。
 この日の南北会談で韓国代表団は北朝鮮に対し、緊張を高める行為を中断し、非核化など平和のための対話を再開することが必要だと提案した。北朝鮮側からは特別な言及がなかったというが、粘り強い対応で事態を打開したい。
 北朝鮮が南北関係の改善に意欲を示すのは、国連安保理が昨年から実施している経済制裁が徐々に効いてきているからだとの見方がある。韓国との対話を進め、日米韓の連携を分断する狙いもありそうだ。
 少なくとも核戦力で米国の脅威に対抗するとの強硬姿勢が揺らいでいるようには見えず、半島情勢が危機的状況であることに変わりはない。日本をはじめ各国は北朝鮮の今回の対応の変化の背景を慎重に見極める必要がある。核放棄に向けた動きにつなげられるよう、石油の供給制限などの経済制裁とともに、今回つかんだ対話の糸口を切らさぬように対応すべきだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。