Home > 社説 > 地方紙 > 北陸地方 > 富山新聞(富山県) > 【富山新聞】 北陸の鳥獣対策 害獣駆除犬の育成・普及を
E160-TOYAMA

【富山新聞】 北陸の鳥獣対策 害獣駆除犬の育成・普及を

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 金沢市犀川小付近にサル約40匹が現れ、近くの畑で農作物を食い荒らした。エサが少ない冬場、サルが市街地近くまで下りてくるのは珍しくない。昨年11月には羽咋市のみさき小グラウンド、同12月には羽咋市の羽咋小プールサイドにサルが出没し、輪島市や志賀町、かほく市の中心部などでも目撃情報があった。
 里山から人が減り、農地の荒廃が進んだために、サルはもとより、クマやイノシシ、シカなどが里山を通り越して市街地までエサを求めて出没してくる。一時的とはいえ、野生動物が小学校敷地や中心市街地にまで入り込んでくる状況は看過できない。
 現在はもっぱら自治体職員や警察官が現場をパトロールし、人海戦術でサルを山に追い立てるが、人を見ても逃げない雄のサルもいるという。クマやイノシシの場合はさらに危険であり、猟友会の踏ん張りに頼らざるを得ない。万が一にも子どもや高齢者が襲われることのないよう危険な野生動物を追い払うための総合的な対策が必要ではないか。
 有望視されるのは、山里の集落などで特別な訓練を受けた「害獣駆除犬」を育成し、野生動物を山へ追い払うことだ。農作物を荒らすサルを追う「モンキードッグ」やクマを追う「ベアドッグ」などが全国各地で活躍している。モンキードッグなどの育成・普及を北陸でも後押ししていきたい。
 金沢市ではモンキードッグ3匹、白山市では同1匹が訓練を終えている。富山市では、富山県立中央農業高校の生徒が育てたモンキードッグ2匹が農地のパトロールを始めた。
 石川、富山両県は条例で飼い犬の係留を義務付けているが、動物愛護管理法に基づく基準の改正で、原則禁止だった犬の放し飼いが野生動物の追い払いなどに限り認められるようになった。
 長野県大町市ではモンキードッグ19匹が追い払いを繰り返し行うことで、農作物被害を激減させた。北陸でも特別な訓練を受けた犬の数を増やし、広い地域をカバーできるようになれば、農作物被害とともに、市街地に下りてくる野生動物を減らすことができるのではないか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。