Home > 社説 > 全国紙 > 産経新聞 > 【産経新聞】 南北対話 「核」避けるなら無意味だ
E030-SANKEI

【産経新聞】 南北対話 「核」避けるなら無意味だ

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 対話を熱望するあまり相手に足元をみられる。2年1カ月ぶりに開催された南北当局者会談は終始、北朝鮮ペースで進んだ印象を受ける。
 会談の冒頭、北朝鮮側が「贈り物」を差し上げると、平昌五輪参加を表明したことに象徴されていよう。
 軍当局間会談の開催でも、双方は合意した。
 それらにいかほどの意味があるだろう。最大の焦点で差し迫った脅威になっているのは、北朝鮮の核・ミサイル問題だ。
 韓国側は非核化に向けた対話の必要性に言及した。だが、「それは議題ではない」と反発を受けてかわされた。
 非核化を導かない対話に、価値を認めることはできない。文在寅大統領が自分の点数稼ぎを図ろうとすれば、北朝鮮に核開発の時間を与え、地域や国際社会を危険に巻き込みかねないのである。
 北朝鮮が五輪参加を大仰に伝えたのも、文氏が「関係改善への転機」などと重視しているのを逆手に取ったものといえる。
 共同報道文は、韓国が北朝鮮代表団に対して「必要な便宜を保証する」ことをうたっている。実質的には、飢餓対策などの人道目的を超える「対北支援」に相当することにならないか。
 国連安全保障理事会の制裁決議は、繊維製品など北朝鮮の主要産品を禁輸とし、海外派遣労働者の送還も決めている。外貨を断って締め上げる目的だ。五輪だからと、制裁強化に逆行する支援を安易に行うのは認めがたい。
 見過ごせないのは、北朝鮮側が核兵器は韓国でなく、米国が狙いだと主張した点だ。米韓は同盟国であり、南北だけで安全保障を話し合うことは成り立たない。
 南北関係の問題について「われわれ民族が当事者として対話で解決する」(報道文)としている。だがこれも、北朝鮮が狙う米韓分断や国際包囲網の突破に結び付きやすいことに留意すべきだ。
 文氏は年頭記者会見で早速、「条件が整えばいつでも南北首脳会談に応じる用意がある」と述べた。必要な条件を文政権は本当に整えた上で会談に臨むのか。前のめりの姿勢を強く危惧する。
 いまは日米韓、そして国際社会が一致して、対北圧力をかけ続けるべき時だ。かつて対話への「希望」は失敗を重ねてきた。韓国には現実を見据えてもらいたい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。