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【沖縄タイムス】 [韓国「慰安婦」新方針]合意の趣旨に立ち返れ

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 旧日本軍の「従軍慰安婦」問題を巡る2015年12月の日韓合意に関する韓国政府の新たな方針が発表された。
 合意に基づき元慰安婦への支援を行うため韓国政府が設立した財団に日本政府が拠出した10億円と同額を韓国政府が負担するというものだ。日本分は凍結し、今後の取り扱いをどうするか日本側と協議するという。
 康(カン)京(ギョン)和(ファ)外相直轄の作業部会が日本との交渉過程を検証をした結果、「被害者の意見を十分に集約しなかった」と結論付けた。これを基に「合意では真の問題解決はできない」と主張している。
 他方、「両国間の公式合意だったという事実は否定できない」と認め、合意破棄や再交渉は否定している。
 10日、就任後初の年頭記者会見に臨んだ文(ムン)在(ジェ)寅(イン)大統領も同様の見解を示し、10億円について「慰安婦問題に向けて良い目的で使えるなら望ましい」と語った。合意破棄と受け止められる「返還」という言葉は慎重に避けたようだ。
 文氏は昨年5月の大統領選で日韓合意の見直しや再交渉を公約に掲げて当選している。本来、両立しない国内世論と日韓関係のバランスを図ったためだろうが、わかりにくい対応である。
 合意当時、存命だった元慰安婦47人のうち7割超が約1千万円ずつをすでに受け取るか受け取る意思を示している。それを韓国政府予算に置き換える方針だ。
 10億円が日本に返還されなくても、合意の核心部分が崩れ、骨抜きにされてしまう。韓国内でもすでに「合意を事実上無力化させた」との見方が出ている。
 
 日韓合意で、日本は軍の関与と政府の責任を認め、安倍晋三首相が「心からのおわびと反省」を表明した。
 政府間の合意が重いのはいうまでもない。政府間合意をひっくり返すのは国際社会のルールにももとる。
 韓国の姿勢が日韓関係をさらに冷え込ませるのは間違いないであろう。
 合意は朴(パク)槿恵(クネ)前政権時代のものだが、政権が代わっても合意の履行は責任をもってやらなければならない。
 ただ日本が拠出した10億円は返還すべきだと主張する元慰安婦や支援団体がいるのも事実である。
 最も心を砕かなければならないのは元慰安婦の名誉や尊厳を回復することである。国際的には女性への重大な人権侵害とみられていることを忘れてはならない。
 
 康氏が「自発的で心のこもった謝罪」を日本に求め、文氏は「日本が心から謝罪するなどして、被害者たちが許すことができた時が本当に解決だと考えている」と述べた。
 日本政府は「最終的、不可逆的な合意だ。1ミリたりとも動かすことは考えていない」との立場を崩さない。
 そもそも日韓合意は元慰安婦の名誉や尊厳を回復することにある。安倍首相は合意後、韓国の財団から「おわびの手紙」を求められたが、国会で「毛頭考えていない」と拒否したことがある。元慰安婦の心身を癒やすような努力も必要ではないか。

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